2025年08月
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稀少な変光星の爆発を市民科学ボランティアが発見 豪モナシュ大学

オーストラリアのモナシュ大学(Monash University)は7月2日、世界中の市民科学ボランティアが参加するプロジェクト「Kilonova Seekers」により、数日で明るさが2500倍に増した稀少な変光星「GOTO0650」を発見・解析したと発表した。研究成果は学術誌Astronomy & Astrophysicsに掲載された。

この発見は、モナシュ大学が参加する「GOTO(Gravitational-wave Optical Transient Observer:重力波光学一過性現象観測ネットワーク)」の取り組みによるもので、一般市民による観測協力が重要な役割を果たした。発見の契機となったのは、2023年11月14日にGOTOが取得したデータを解析していたボランティアによる通報だった。

プロジェクトには世界中で3500人を超えるボランティアが参加し、280万件以上の分類を実施している。検出後は、宇宙望遠鏡やアマチュア観測機器を用いた迅速な追跡観測が行われ、GOTO0650の光度変化やX線放射、スペクトルといった貴重な初期データが収集された。

モナシュ大学物理学・天文学部のダンカン・ギャロウェイ(Duncan Galloway)准教授は「GOTOは自動でトリガーされ機械学習で変化を検出しますが、最終的な「発見」の判断は人の目による確認が欠かせません。今回は市民科学者の貢献が決定的でした」と語った。

また、英国のケンブリッジ大学のリサ・ケルシー(Lisa Kelsey)博士は「市民科学は、専門家だけでは見落とされがちな偶然の発見を可能にします。この天体も、ボランティアが通報しなければ見逃されていたでしょう」と述べた。

GOTO0650は、白色矮星が伴星から物質を引き寄せて爆発する激変型変光星の一種で、特に進化の最終段階にある「周期バウンサー」に分類される極めて珍しい天体である。モナシュ大学博士課程のセルゲイ・ベルキン(Sergey Belkin)氏は「この天体の特性は非常に稀であり、タイミングよく発見されたことが同定につながりました」と話している。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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