2025年12月
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鉱物資源探査のための重力測定を実施 豪政府

オーストラリア政府は11月18日、マデレーン・キング(Madeleine King) 資源相兼北部オーストラリア担当相が大型探査イニシアティブ「Resourcing Australia's Prosperity」の下で地下資源を探査するための新たな重力測定を行ったと発表した。

同相は政府が所管する地質調査所(Geoscience Australia)の科学者らとともにA10絶対重力計を用いて、西オーストラリア州バンバリー(Bunbury)の町の重力測定を実施した。この超高感度重力測定は、オーストラリア国内における今後の重力測定の基準となる。測定結果は既存の重力データベースに追加され、オンラインで無料公開される予定である。

重力は場所により異なり、花崗岩のような密度の高い岩石では強く、砂岩のような密度の低い岩石は弱く測定される。これらの情報は、鉱物や地下水の特定に役立ち、鉱物探査に役立つデータとなる。新たな重力測定はオーストラリア国内にある鉱物や代替エネルギー源、地下水を包括的にマッピングするための大型探査イニシアティブ「Resourcing Australia's Prosperity」の一環として行われた。オーストラリアの既存の重力データベースは、1938年以降に測定された180万件以上の重力観測データが保管されている。

同相は「正確な重力データは、地下世界の理解を深める上で重要です。地下水や重要鉱物を含む鉱物の潜在的な埋蔵地を特定する助けとなります」と述べ、「詳細な重力情報は、地質図の作成や鉱物の探査を可能にします。さらに科学者がオーストラリアの地殻変動を測定するための基礎データとなり、オーストラリア国民が日々利用しているGPSやナビゲーションシステムの基盤技術を支えます」と重力測定の意義を強調した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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