オーストラリアのシドニー大学(University of Sydney)は1月13日、同大学の研究者らが腰痛治療において、簡単に行える生活習慣の改善が最も効果をもたらす可能性を示したと発表した。研究成果は学術誌Arthritis Care & Researchに掲載された。

(出典:シドニー大学)
腰痛は世界で6億人以上に影響を与える不調の原因である。調査を行った研究者らは、女性が腰痛に関する費用を多く支払っている事実(男性より76%高い)に驚いた。この研究は、禁煙や運動、睡眠の改善、健康的な体重の維持が、医療費総額の削減と腰痛治療薬の依存の減少と関連していることを明らかにした。
論文の著者でチャールズ・パーキンス・センター(Charles Perkins Centre)と健康科学部(School of Health Sciences)を兼務するパウロ・フェレイラ(Paulo Ferreira)教授は、「多くの人は腰痛の話になると、劇的な変化が必要だとして、難しい課題だと諦め、しばしば効果のない治療薬を服用しているだけです」と述べ、「私たちの研究は、小さな達成可能な変化を起こすだけで、真の効果を得ることができることを示しています」と今回の研究の成果を強調した。
この研究は12カ月間にわたって対象者を追跡し、ボディ・マス指数(BMI)、身体活動レベル、喫煙状況、睡眠の質など、さまざまな生活習慣における腰痛の要因を評価し、医療費削減との関連性を調査した。同教授は、「健康的な生活習慣と治療薬の減少には直線的な相関関係が認められました。持続可能で簡単かつ達成可能な生活習慣の改善を通じて、人々が腰痛を管理できるように支援すべきです」と述べた。また論文の筆頭著者のティアラ・ティアン(Tiara Tian)博士課程研究員も生活習慣のわずかな改善が測定可能な違いを生むと述べた。
専門家は、腰痛管理は画一的なアプローチから脱却し、性別に応じた個別ケアに注力すべきだと意見する。これには腰痛を持つ人と医療提供者の間で、実行可能な生活習慣の改善など、費用対効果の高い選択肢について会話することも含める必要があると考えられる。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部