オーストラリアのモナシュ大学(Monash University)は2月4日、金ナノ粒子の硬質‐軟質界面における原子構造を直接決定したと発表した。研究成果は学術誌Nature Communicationsに掲載された。
本研究は、繊細かつ複雑で確実な画像化が困難とされてきた金ナノ粒子の界面領域について、原子レベルでの構造を明らかにしたものである。金属ナノ結晶がどのように成長し、形状を変化させ、化学環境と相互作用するかを理解する上での基本的課題に対処したとしている。
研究チームは、四次元走査型透過電子顕微鏡法(4D-STEM)に基づく手法を開発し、界面活性剤存在下で成長させた金ナノ立方体の表面において、金原子、銅添加物、臭化物対イオンを可視化・識別した。表面種に対して優先的に感度を持たせた観察条件を設定することで、原子間距離を測定し、界面の原子配列を再構築した。
筆頭著者であるモナシュ大学物理学・天文学部のウェイロン・リー(Weilun Li)博士は、「添加剤や界面活性剤がナノ結晶の成長を制御することは長年知られていましたが、界面の原子構造は不明のままでした。この手法により界面活性剤層を保ったまま金表面の銅添加物と臭化物イオンを可視化でき、硬質‐軟質界面の原子構造を決定できました」と述べている。
研究では、電子散乱計算により銅と臭化物が金よりも強く散乱する特定の角度範囲を特定し、その領域のデータのみを用いて画像を再構築した。これにより、従来法で問題となっていた曖昧さを回避し、低線量かつ種特異的な4D-STEMによってナノ粒子添加剤‐界面活性剤界面の原子構造を解明できることを示した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部