2026年03月
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ラオスの低排出および新興エネルギー技術の能力向上を支援 豪CSIRO

オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は2月17日、ラオス・オーストラリア持続可能エネルギーパートナーシップ(LASEP)の枠組みで、ラオスにおける低排出および新興エネルギー技術の能力向上を支援し、水素評価や技術経済モデリングなどの分野で現地の専門知識強化に取り組んでいると発表した。

ラオス農業環境省傘下バイオテクノロジー・エコロジー研究所の技術職員ソウリサイ・サイヤチャック(Soulisay Xayachak)氏。2025年9月、CSIROクレイトンキャンパスにて
Source: P4I (出典:CSIRO)

CSIROは地域のパートナーと連携し、ラオスの低排出エネルギー技術分野における技術力強化を支援している。この取り組みはLASEPの一環として実施され、ラオスが2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロを目指す目標を支える技術基盤の構築を目的としている。

ラオスは豊富な水力発電資源を背景に、グリーン水素が既存の水力発電を補完する低排出燃料となる可能性を検討している。再生可能エネルギーによるエネルギーミックスの多様化や産業用途、長期的なエネルギー安全保障の観点から関心が高まっている。一方で、生産コストやインフラ需要、将来のエネルギーシステムへの適合性を把握するためには技術経済モデリングが不可欠とされる。

この技術力強化のため、LASEPではラオスの研究者をCSIROの技術経済モデリング環境に受け入れるインターンシップモデルを導入した。研究者はオーストラリアの技術機関と共同でモデリング作業に取り組む。また、グリーン水素とアンモニアのロードマップ共同開発や、ラオス国立大学との電気化学修士課程カリキュラム整備などの取り組みも進められている。

最初の参加者となったラオス農業環境省傘下バイオテクノロジー・エコロジー研究所の技術職員ソウリサイ・サイヤチャック(Soulisay Xayachak)氏は2025年9月、CSIROでの研修を修了した。同氏はラオスの水力発電データを用いて分析を行い、水力発電を利用したグリーン水素製造のコストと実現可能性のモデル化や、セメント生産など産業用途の予備分析に取り組んだ。

CSIROのナウシャド・ハック(Nawshad Haque)博士は「サイヤチャック氏がラオスの水力発電データを統合したことで、水力発電による水素生産が実際の条件下でどのように機能するかをより明確に把握できました」と述べた。ムタ・ムサ(Mutah Musa)博士は「このデータはタイやカンボジアなどメコン地域での水素生産シナリオを理解する出発点にもなります」と説明した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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