2026年04月
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AIの責任ある開発に向けアンソロピック社と協力覚書締結 豪政府

オーストラリア産業・科学・資源省(DISR)は4月1日、人工知能(AI)分野の世界的企業であるアンソロピック(Anthropic)社とAIに関する協力の了解覚書(MoU)を締結したと発表した。

(出典:豪政府)

今回の覚書は国家AI計画に基づく初の協力枠組みであり、国内のAI能力の強化と責任あるAI開発の推進を目的としている。同計画は、AIの機会を最大限に生かし、その恩恵を社会に広く行き渡らせるとともに、国民の安全を守るという政府の考え方を示すものである。

今回の枠組みは、AIの責任ある開発を後押しし、投資の誘致や安全性の向上に資するものである。法的拘束力を持たない高位の協力枠組みとして国益に沿った期待事項を示すとともに、政府と産業界の連携を通じて計画の具体化を進める狙いがある。政府は他企業との同様の枠組みについても検討していく方針である。

アンソロピック社の基盤AIモデルは、オーストラリアで業務および家庭の双方において日常的に利用されている。同社は2026年にシドニーに拠点を開設予定であり、既に現地企業と連携し、不正防止やサイバーセキュリティ、顧客体験などの分野でAI活用の可能性を探っている。また同国は同社の生成AI「Claude」の1人当たり利用量で上位に位置しており、DISRはさらなる対豪投資を歓迎している。

本覚書では、同社が取り組む事項として以下が示された。

  • オーストラリアにおける事業展開の拡大の検討、研究および人材育成の支援、国内機関との連携
  • 政府およびAI安全研究所(AISI)と連携したAI安全性確保、技術交流、新興リスクの理解
  • AIの経済的影響の分析、将来のインフラ需要の把握、信頼できる地域ハブとしての機能強化
  • データセンターおよびAIインフラ開発者に関する政府の期待との整合
  • オーストラリア公共サービス(APS)と連携したAI活用推進のための協働機会の検討

DISRは、本覚書により国内のAI能力構築を進めるとともに、グローバルなAI開発に影響を及ぼす機会の創出につなげるとしている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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