2026年05月
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『アルテミス世代』と次世代STEM人材を育む 豪CSIRO

オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は4月10日、米航空宇宙局(NASA)のアルテミスIIミッションにより50年以上ぶりに人類が月へ向かう中、同国の科学・工学が国際宇宙探査に果たす役割と、次世代のSTEM人材への影響について紹介した。

リアナ・ライオンズ(Rhianna Lyons)氏(左)とキャサリン・ベネル=ペッグ(Katherine Bennell-Pegg)氏(右)
(出典:CSIRO)

アルテミスIIは世界的な関心を集めるとともに、オーストラリアの研究者や技術者が国際的な宇宙探査に関与していることを示している。同国では2030年に月へ投入予定の月面ローバーの開発も進められており、この計画には10以上の大学と多数の企業が関与している。

同計画はまた、STEM分野を自らも担えるものと捉える新たな層を生み出している。いわゆる「アルテミス世代」は年齢ではなく意識によって特徴づけられ、研究室や工房、教室、ミッション管制室など多様な場で宇宙探査に関与できるとの認識を共有している。

オーストラリア初の自国旗の下で訓練を受けた宇宙飛行士のキャサリン・ベネル=ペッグ(Katherine Bennell-Pegg)氏は、「半世紀以上ぶりに人類が月へ戻るのは非常に刺激的です」と述べ、「私たちは施設や専門知識、技術によってこのミッションを支えています」と語った。また、「人類の挑戦の最前線に関わりたいなら誰にでも役割があります」とし、現在の取り組みが今後の科学と探査の方向性を形作ると強調した。

宇宙探査は地球外を対象とする活動であるが、その恩恵は日常生活と密接に結びついている。アルテミスIIに関連して開発された技術は、遠隔操作や材料科学、エネルギー分野などの進展に寄与し、産業や社会基盤を支えている。CSIRO教育担当官リアナ・ライオンズ(Rhianna Lyons)氏は、宇宙は、科学が理論にとどまらず、問題解決や協働の中で実際に活用されることを示すと指摘する。

同氏は「私は高校時代に数学が得意ではありませんでしたが、現在は天体物理学の学位を取得しています」と述べ、進路は一様ではないと強調した。ベネル=ペッグ氏も、当初は工学の経験がなかったとし、「好奇心を持ち続け挑戦することが重要です」と語り、STEMは個人にとって意味のある課題を解決する手段であると述べた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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