2026年06月
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光情報を生成・読み取りできるナノスケール回路を開発 豪モナシュ大学

オーストラリアのモナシュ大学(Monash University)は5月25日、同大学の研究者らが、光に基づく情報を単一チップ上で生成し、狙った方向へ導き、読み取ることができるナノスケール回路を開発したことを発表した。研究成果は学術誌Nature Photonicsに掲載された。

同大学物理・天文学部の科学者らが開発したこの技術は、先端材料とナノテクノロジーを組み合わせ、バレートロニクスにおける長年の課題を克服するものだ。研究チームは、特殊な光信号を生成し、精密な方向に導き、電気信号へ変換する完全統合型システムを、コンパクトなチップベースのデバイスで初めて実証した。光信号は、材料の量子的特性である「バレー自由度」を用いて情報を運び、データを新たな方法で符号化・処理できる。

筆頭著者のチー・リー(Chi Li)博士は、従来よりこうした信号の生成または検出は可能だったが、一つの統合デバイスで全てを行うことはできなかったと説明する。共同筆頭著者で同大学リサーチフェローのカイジアン・シン(Kaijian Xing)博士らは、数原子分の厚さの超薄型材料と、極小スケールで光の振る舞いを制御する特別設計のナノ構造を組み合わせた。単純な積層手法でメタサーフェスと統合し、フォトニック構造上に材料を直接成長させる際の技術的課題を克服したという。

この完全統合型デバイスは室温で動作するため、極低温を必要とする多くの量子技術より、実世界での応用に向けてはるかに実用的である。実証では、二つの異なる画像を同時に符号化・処理し、複数の情報ストリームを一度に扱えることを示した。上席著者で同大学物理・天文学部ナノメタグループを率いるハオラン・レン(Haoran Ren)博士は、電気ではなく光を用いて情報を処理する、拡張可能なチップベース技術に向けた重要な一歩だと述べる。

研究者らは、この技術が将来的により高速でエネルギー効率の高いコンピューティングシステムのほか、安全な通信やデータ処理の新たな手法を可能にする可能性があるとしている。モナシュ大学物理学・天文学科長で、同大学ナノフォトニクス研究室のステファン・A・マイヤー(Stefan A. Maier)教授は「光と量子材料をチップ上で組み合わせることで、情報を符号化・処理する新しい方法に到達できます」と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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