2026年06月
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謎の宇宙信号の起源を白色矮星連星に確認 豪シドニー大学

オーストラリアのシドニー大学(University of Sydney)は6月1日、同大学の天文学者らが主導する国際研究チームが、謎の宇宙信号「長周期電波トランジェント」の発生源の一つが、伴星から物質を引き寄せる白色矮星連星であることを確認したと発表した。研究成果は学術誌Nature Astronomyに掲載された。

研究チームは、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)が所有・運用するASKAP電波望遠鏡を用い、ASKAP J1745−5051と名付けた恒星系を発見した。この系は、地球ほどの大きさで太陽に近い質量を持つ高密度の恒星残骸である白色矮星と、太陽の約10分の1の質量を持つ赤色矮星からなり、2つの恒星は1時間余りで互いを周回する。

白色矮星が伴星から物質を引き剥がすと、物質は加熱されてX線を放出する。同時に、2つの恒星の磁場が相互作用し、電波バーストを生じる。電波とX線の強いバーストは1.4時間ごとに繰り返されるが、ピーク時刻は一致せず、それぞれ恒星系内の異なる領域で生成されていることを示すという。

筆頭著者でシドニー大学物理学部とCSIROの博士課程学生コヴィ・ローズ(Kovi Rose)氏は、長周期電波トランジェントはこれまで約12例しか見つかっておらず、起源は不明だったと説明する。従来は、ゆっくり自転する中性子星であるパルサーの可能性が考えられていたが、現在のモデルでは、このような遅い回転で同様の信号を作ることは難しい。今回の成果は、少なくとも一部が白色矮星を含む連星系に由来するとの説明を強める。

博士課程学生コヴィ・ローズ(Kovi Rose)氏
(出典:CSIRO)

シドニー大学物理学部長でARC重力波発見研究拠点(OzGrav)の主任研究員タラ・マーフィー(Tara Murphy)教授は、類似天体が連星系と関連付けられた例はあったが、2つの恒星と進行中の降着過程を明確に確認できた初めての例だと述べた。ローズ氏は「この恒星系は、他の長周期トランジェントがパルサーに近いのか、白色矮星系に近いのかを判断する助けとなり、恒星版のロゼッタストーンのような役割を果たす可能性があります」と語った。

研究チームは今後、電波・光学・X線望遠鏡を組み合わせて追加観測し、放射の生成機構や同様の仕組みが長周期電波トランジェント全体を説明できるかを調べる。チームには米国、中国、カナダ、スペイン、イスラエル、オーストラリアの天文学者が参加した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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