2026年07月
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砂丘のハエの求愛ダンスが変化しづらい謎に迫る 豪CSIRO

オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は6月16日、オーストラリア東部の砂丘にすむハエの求愛ダンスを調べた研究で、遺伝的に隔離された個体群でも振り付けがほぼ安定していることが示されたと紹介した。研究成果は学術誌Behavioural Ecologyに掲載された。

踊るハエ(Apotropina ornatipennis)。オス(右)がメス(左)の後をついていく様子
(Credit: Nathan Butterworth)

ディーキン大学生命・環境科学部のネイサン・バターワース(Nathan Butterworth)氏と、CSIRO国立研究コレクションのオーストラリア国立昆虫コレクションに所属するキース・M・ベイレス(Keith M Bayless)氏らは、オーストラリア東部の砂丘に生息し、雄が求愛時にダンスのような行動を示すハエの一種Apotropina ornatipennisを対象に、求愛ディスプレイの進化の余地を調べた。このハエは模様のある翅(はね)と反射する斑点を持ち、雄が雌を追いながら、ひねり、回転、翅をはじく動きなどを組み合わせる。

ハエ(Apotropina ornatipennis)の求愛行動
(Credit: Nathan Butterworth) (出典:いずれもCSIRO)

研究チームは、岬や河口で隔てられ、何世代も独立して進化してきた海岸線の個体群について、遺伝と行動の両面を分析した。41種類のダンス動作を記録し、遺伝的分化の程度と振り付けの違いを比較したところ、個体群が明確に分かれていてもダンスの型は一貫していた。動作のレパートリー全体の中で、分化の可能性を示したのは、一つの翅の動きのタイミングに見られたごく微妙な変化だけだった。

研究者らは、求愛ディスプレイが雄の質を示す「正直なシグナル」として働く場合、新しい振り付けを試す雄は雌に無視される高い代償を払う可能性があると指摘する。正確な実行を要する動きは、質の高い雄とそうでない雄を分ける証拠になるため、雌は古くからある動きでも、雄の適応度を示す限り受け入れる。ハワイのコオロギで、求愛歌を聞きつける寄生性のハエの圧力により、一部の雄が約20世代で鳴くことをやめた例のように、強い進化圧があれば行動は変わり得る。今回の結果は、雌が求める厳格な基準が、求愛ダンスの変化を従来考えられていたより遅くする可能性を示している。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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