2026年07月
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暑さと乾燥でも光合成を支える葉の内部調整を解明 オーストラリア国立大学

オーストラリア国立大学(ANU)は6月17日、同大学の研究者らが極端な高温と乾燥した空気の条件下でも、植物が光合成を続けるのを助ける仕組みを明らかにしたと発表した。研究成果は学術誌Proceedings of the National Academy of Sciencesに掲載された。

綿花の葉で、光合成時のガス交換とクロロフィル蛍光を携帯型光合成測定装置LI-COR LI-6800により同時測定している様子。写真:シンユー・フー(Xingyu Hu)博士
(出典:ANU)

ANU生物学研究科のシンユー・フー(Xingyu Hu)博士らは、熱と空気の乾燥が光合成に及ぼす影響を、異なる二酸化炭素(CO2)濃度の下で初めて切り分けた。研究では、綿花、ヒマワリ、ドワーフビーンの3種の一般的な作物を対象に、温度、空気の乾燥、CO2濃度が変化したとき、光合成システムがどう応答するかを調べた。この成果は、気候変動が作物や生態系に及ぼす影響の予測を改善し、作物管理や食料安全保障の強化にも役立つ可能性がある。

従来は、乾燥した空気で植物が気孔を閉じ、葉に入るCO2量が制限されることが、光合成を抑える主因と考えられてきた。今回の研究は、葉の内部でCO2が移動しやすい度合いを示す葉肉コンダクタンスが、気孔コンダクタンスとは異なる方向に熱や乾燥へ応答し、両者の協調が葉緑体内のCO2環境を比較的安定に保つことを示した。植物は、葉の組織内でCO2の移動や光合成中のCO2利用効率を調整し、気候ストレスの影響を一部相殺できるという。現在の大気CO2濃度付近では、光合成に関わる2つの主要な生化学プロセスを精密に均衡させ、資源を無駄にせず効率を最大化している可能性も示された。

共著者のスアン・チン・ウォン(Suan Chin Wong)氏は、暑く乾いた条件の頻度が気候変動で増す中、熱と空気の乾燥が光合成に及ぼす個別の影響を理解することは、将来の光合成や水利用の予測改善に重要だと述べた。グレアム・ファーカー(Graham Farquhar)特別教授は、今回の成果について、気孔、葉肉、生化学的要素の協調が、植物の気候レジリエンスと効率的な資源配分を支える重要性を示すものだと指摘した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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