ニュージーランド政府は6月23日、ニュージーランドバイオセキュリティ局(Biosecurity New Zealand)が主導するツマアカスズメバチの根絶対応を支えるため、4件の新たな研究プロジェクトを進めると発表した。
新研究は、2025年に政府が設立した公的研究機関、バイオエコノミー科学研究所の科学者らが主導する。ペニー・シモンズ(Penny Simmonds)科学相によると、1件のプロジェクトでは、モデリングを用いて、オークランドで同種が引き続き存在するリスクが最も高い地域を特定し、現地の監視活動を支援する。対応では一般市民から前例のない水準の通報が寄せられ、これまでに約1万7850件の通知があった。このデータも同研究所のモデリングに用いられ、根絶に向けた市民参加の価値を示している。
アンドリュー・ホガード(Andrew Hoggard)バイオセキュリティー相によると、同種は2025年にオークランドのノースショアで初確認されて以降、女王バチ77匹と巣132個が発見・除去され、4月上旬以降は新たな目撃がない。同相は、これは前向きな兆候だが、対応作戦の一環として集中的な捜索と捕獲を続け、一部の女王バチが生き残っている可能性に備える必要があると説明した。春に確認例がなくても、根絶確認には、無確認の状態で監視を継続する必要があるという。
同研究所は、必要が生じた場合に養蜂分野が長期的に同種を管理できるよう、準備ガイドも作成している。同バイオセキュリティー相は「対応の一環として、ツマアカスズメバチが定着している海外で養蜂家が用いる手段や方法を検証することは理にかなっています」と述べた。
4件の研究は、モデリングによる同種の残存高リスク地域の特定、ニュージーランドの非都市部での潜在的影響評価、同種の脅威をマオリの地域社会に伝える科学コミュニケーション、長期管理が必要になった場合に備えた蜂蜜・受粉分野向け準備パッケージの作成である。研究は、ビジネス・イノベーション・雇用省(MBIE)による同研究所の戦略的科学投資基金(SSIF)資金を通じて支援される。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部