2026年08月
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水深9888mの海底マッピングで最深記録、海底図更新を加速 豪CSIRO

オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は7月15日、同機構が所有・運航する調査船インベスティゲーター号が2025年、トンガ海溝で同船の海底マッピング最深記録となる水深9888mを測量し、新たに豪東岸沿いの全長2200kmにわたる海域などで、特に深海に残る低品質な海底データを更新する調査を行うと発表した。

3基のマルチビーム音響測深機を収めたゴンドラの位置を示す、調査船インベスティゲーター号の船首部分の表示

豪州の海洋領域は国土面積の1.5倍を超え、南極海域を除く70%が水深1000m超、50%近くが3000m超に及ぶ。同船の船首下部にある翼型構造物「ゴンドラ」には、音波で水深を測る3基のマルチビーム音響測深機(MBES)が収められている。浅海用は水深200m、中深度用は2000m、深海用は海洋の全水深に当たる1万1000mまで対応し、マリアナ海溝チャレンジャー海淵の水深1万935mもマッピングできる。1回の航行で、最大幅40kmの海底を測量できる。

調査船インベスティゲーター号に搭載された3基の先進的なマルチビーム音響測深機により、あらゆる水深で高解像度の海底マッピングが可能となる
画像提供: CSIRO/Maren Preuss

2025年、同船は2022年のフンガ火山噴火の影響を調べる航海後、機器試験のため可能な限り深い海域を探した。近くには、世界で2番目に深い水深1万882mのホライゾン海淵を含むトンガ海溝があり、同船は海溝上でソナーを試験して水深9888mまでマッピングした。豪州の海洋領域内で最も深いのは、クリスマス島沖のスンダ海溝(ジャワ海溝)にある約7000mの地点である。

豪政府の「オーストラリアの繁栄に向けた資源整備」イニシアチブでは、オーストラリア地球科学機構が全国規模の基盤的地球科学データと詳細な海底地形図を作る。最初の航海として、CSIRO、同機構、ジェームズクック大学が2026年7月に共同調査を行う。同大学のロブ・ビーマン(Rob Beaman)博士が率い、ホバートからブリスベンまでの豪東岸沿いで、低品質なマッピングが残る全長2200kmの海域を調査する。水深4500m以上も対象とし、新データを全国250m水深グリッドと大洋水深総図(GEBCO)の更新に活用する。

(左)以前の低解像度水深測量図と、(右)調査船インベスティゲーター号による海底マッピング後の高解像度水深測量図。
画像提供: ロブ・ビーマン(Rob Beaman)/ジェームズクック大学 (出典:いずれもCSIRO)

海底地形は海流や海洋生態系、海底ケーブルなどのインフラ整備に影響する。海底マッピングは船舶の安全航行に加え、津波を引き起こし得る海底地滑りのリスク評価や海洋公園の区域設定にも欠かせない。しかし、効果的な海洋管理に十分な精度でマッピング済みの海域は、豪州海洋領域の38.8%にとどまる。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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