2026年09月
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世界のチョウ10種に1種が移動 気候変動と異常気象が要因 豪モナシュ大学

オーストラリアのモナシュ大学(Monash University)は8月6日、同大学の研究チームが、世界のチョウの10種に1種で分布域の変化を確認し、記録された移動の約80%で気候変動や異常気象が要因となっていることを明らかにしたと発表した。研究成果は学術誌Nature Ecology & Evolutionに掲載された。

研究チームは、英語文献と非英語文献に加え、68件の専門家評価を用いて、105カ国の1758種について報告された6182件の分布域変化を分析した。チョウが生息する全ての大陸で変化が確認された。調査対象種の80%には分布域の拡大がみられ、多くは気温上昇によって新たに生息に適するようになった地域へ移動していた。また、27%では分布域の縮小、22%では標高勾配に沿った移動が確認された。ただし、熱帯では標高方向の移動に関する記録が少なかった。

国別にみると、チェコ、フィンランド、ルクセンブルク、スペイン、スウェーデンでは、それぞれ国内に生息するチョウ種の半数を超える種で分布域変化が記録されていた。一方、生物多様性のホットスポットである中央アフリカ、東南アジア、ニューギニア、アマゾン盆地は、依然としてデータが著しく不足している。熱帯のチョウは耐えられる温度の上限近くで生息しており、わずかな気温上昇でも限界を超える可能性がある。さらに、土地利用の変化による生息地の分断が、適した気候を追って移動することを妨げている。

筆頭著者で、モナシュ大学生物科学部グローバル・チェンジ・エコロジー研究室長のシャワン・チョウドリー(Shawan Chowdhury)博士は、英語以外の研究と専門家の知見を加えることで、従来とは全く異なる世界的状況が浮かび上がったと説明した。これらの情報がなければ、昆虫種の80%が生息する熱帯の重要な傾向を見落とし、世界の分布域変化を大幅に過小評価していたという。

同博士は「チョウは早期警戒指標です。その分布域がこれほど劇的に移動しているなら、生態系全体で重大な変化が起きていることを示します」と述べ、特に熱帯で、種の動向や移動先、保護方法を把握するための国際的に連携した監視が緊急に必要だと訴えた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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