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製造初期の銅の移動を抑えタンデム型太陽電池材料の欠陥を低減 豪UNSW

オーストラリアのニューサウスウェールズ大学(UNSW)は8月18日、同大学の研究者らが次世代タンデム型太陽電池の候補材料CZTSについて、製造初期に構成元素を均一に保ち、太陽光から電気への変換効率を制限する微小な欠陥を大幅に減らす手法を開発したと発表した。研究成果は学術誌Nature Energyに掲載された。

現在の太陽光パネルの大半はシリコン製だが、性能をさらに高める手法として、異なる2種類の半導体で太陽光スペクトルの異なる部分を捉えるタンデム型太陽電池が有望視されている。銅、亜鉛、スズ、硫黄からなるCZTSは、構成元素が豊富で比較的環境に優しく、将来のタンデム型太陽電池の有力な候補材料である一方、製造時に生じる微小な欠陥のため、商用化に必要な効率の達成が難しかった。

研究チームには、UNSW太陽光発電・再生可能エネルギー工学部のシャオジン・ハオ(Xiaojing Hao)サイエンティア教授、アオ・ワン(Ao Wang)博士、カイウェン・スン(Kaiwen Sun)博士らが参加した。高温製造工程の開始直後を調べた結果、銅が本来必要な位置から移動し、そのわずかな変化が不要な異相や不純物、微小な構造欠陥を生じさせることが分かった。初期熱反応で銅と硫黄の結合を強化すると欠陥形成が大幅に減り、この種類のCZTS太陽電池で記録的な電圧性能を達成した。第三者機関による認証を受けた変換効率は12.4%だった。市販のシリコン太陽電池には及ばないが、同技術の長年の科学的課題に対処した成果だという。

原子一つほどの点欠陥でも、光で生成されたキャリアを捕捉して電圧を低下させる。共著者のワン博士は、正しい材料を混ぜれば加熱によって目的の材料が自然にできるとの従来の見方に対し、「焼き始めの数分でバターが分離し始めれば、完璧なレシピでも完璧なケーキにはなりません」と説明した。同教授は、材料を混ぜる段階から均一な分布を保つという設計原理は、他の化合物半導体の設計と最適化にも有用だとした。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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