2026年10月
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大きく損傷しても浮力を保つ3Dプリント製チタン格子を開発 豪RMIT

オーストラリアのロイヤルメルボルン工科大学(RMIT)は9月3日、同大学とフランス国立工芸院の研究者らが、大きく損傷しても浮力を保つ、強くて軽量な3Dプリント製チタン格子を開発したと発表した。研究成果は学術誌Advanced Materialsに掲載された。

開発した金属・高分子ハイブリッド格子メタマテリアルは、相互につながった中空のチタン支柱内だけにポリウレタン発泡体を充填した開放構造で、水を内部に通しながらも浮く。水に浮く金属ハイブリッド格子メタマテリアルを実証した世界初の報告であり、試料が淡水に2カ月以上浮き続けることも確認した。

研究を主導したRMIT積層造形センターのジョーダン・ノローニャ(Jordan Noronha)博士らは、開放構造が浮くかどうかを予測する新指標「骨格密度」を考案した。従来の密度計算では、水が入り込むため浮力に寄与しない格子内の開放空間も含める。これに対し骨格密度は、水を排除するチタンの壁と、密閉され発泡体が充填された内部空間だけを考慮する。骨格密度が周囲の液体より低ければ、外部に開いた部分を水が通り抜けても構造体は浮くという設計基準を示した。

全体の密度を同じにして比較すると、この構造体は海洋用途で広く使われるステンレス鋼や高密度ポリエチレンより70%高い強度を示した。メルボルンのポート・フィリップ湾から採取した天然海水に2週間浸漬した試験では、質量減少は0.15%、強度低下は1%未満であった。亀裂や主要接合部の破損、格子層全体の破断後も浮力を保ち、激しく押しつぶされて圧縮された場合にのみ沈んだ。発泡体内の微小な密閉気泡が気体を閉じ込め、中空支柱への浸水を防ぐという。

さらに、密閉外装や保護コーティング、追加の浮力材を使わず、最大45度まで回転させた激しく揺動する海水タンク内でも、3Dプリント製の試作ブイが安定性を保つことを実証した。プロジェクトリーダーのマー・チエン(Ma Qian)特別教授は、今後、実証用部品を大型化し、実際の海洋・深海環境で長期性能を試験すると説明した。また、チタン骨格内部の材料を変えることで、エネルギー吸収、熱管理、振動制御などの用途にも調整できると述べた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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