2026年11月
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重力波検出の感度高める超精密コーティングを開発 オーストラリア国立大学

オーストラリア国立大学(ANU)は10月1日、同大学の研究者らが、ブラックホールや中性子星の衝突による重力波を探索するレーザー干渉計重力波観測所(LIGO)の性能向上の一環として、重力波の検出感度を高める新たな光学コーティングを開発し、LIGO向けの2枚のビームスプリッターに適用したと発表した。

ANU物理学研究科のクリーンルームで、研磨前のガラス基板を移動させる技術職員 (写真:ジェイミー・キッドストン(Jamie Kidston)/ANU)
(出典:ANU)

チームは開発と成膜に3年間を費やした。ビームスプリッターは、世界でも特に純度の高いガラスで作られた直径45cm、重さ20kg超の円盤である。片面のコーティングはレーザー光を正確に半分ずつに分割する。もう片面には、通常の眼鏡レンズのコーティングの1000倍を超える効果を持つ超低反射率のコーティングを施し、干渉を最小限に抑えて検出感度を高める。ANUは、重力波検出に必要な厳しい基準を満たすこうしたコーティングを製作できる、世界でわずか2つのグループの一つである。

ANU物理学研究科のスティーブ・マデン(Steve Madden)教授は、今回のコーティングは、これまでに作られた中でも特に厳しい要件を満たす極めて精密なものだと述べた。同大学重力天体物理学センター長のロバート・ウォード(Robert Ward)教授によると、ほぼ半メートルにわたるガラス面で膜厚の差を1~2nm以内に抑えており、端から端までの差は原子数個分に相当する。重力波検出では、極めて純度の高いレーザー光を精密な物差しとし、髪の毛の太さの約10億分の1の、さらに100万分の1という極微小な距離の変化を測定する。

チームは、表面全体でほぼ原子層1層分の精度で膜厚を制御し、極めて清浄で微細な欠陥のない状態を確保するため、人が触れずに部品の洗浄、測定、搬送を行う専用の自動化システムを8つ開発した。作業は、先進的な半導体製造施設と同等の清浄度要件を満たすANU物理学研究科の新しいクリーンルームで完了した。性能向上後の検出器は、より遠方からの弱い信号も含め、さらに多くの重力波イベントを捉え、謎に包まれた天体の振る舞いを詳しく調べる助けとなる。マデン教授は「オーストラリアによるこの貢献が、国際的な科学研究に大きな成果をもたらすことを心から願っています」と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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