クラス最高の機能を備えて設計されたツイスト・バイオサイエンスの Exome 2.0 は、希少疾患や遺伝性疾患の検出において他のエクソームシーケンスパネルよりも優れた性能を発揮する。(2023年9月19日公開)

ヒトゲノムは、特に配列決定技術が 1970 年代に開発され、21世紀になって技術が洗練されるにつれ、疾患を深く理解するのに役立ってきた。ゲノミクスは重要な分野となり、配列決定技術は進化し続け、次世代シーケンス (NGS) は最新の画期的進化の1つとなっている。

全エクソームシーケンス (WES) は、ゲノムの全エクソン領域(ヒトエクソームとしても知られる)を特に検査する NGS 技術である。エクソームにはゲノムのタンパク質コード領域が含まれている。ゲノム全体の1～2％を構成するにすぎないが、疾患関連変異の 85 ％を占めると推定されている

エクソームを研究することは、疾患、特に希少疾患や遺伝性疾患を特定し理解するための理想的な方法とされてきている。また、WESの出現により対象領域のみをターゲットにすることが可能となり、シーケンスコストが大幅に削減された。コスト削減はいくつかの手法で実用化され、研究室におけるゲノム研究や橋渡し研究の手法が変わってきた。

ツイスト・バイオサイエンスは、世界トップの合成生物学・ゲノミクス企業である。同社は2021 年 10 月、WES 用の最新世代パネルを備えたTwist Exome 2.0 を発売した。Twist Exome 2.0 は同社が提供する一連の NGS ツールの一部であり、エンドツーエンドのワークフローが可能である。 実際のところ、このパネルは、NGSライブラリー調製用のEnzymatic Fragmentation 2.0キットのリリース直後に発売された。

Twist Exome 2.0 パネルには、ビオチン化オリゴヌクレオチドプローブ(別名ベイト)が含まれ、断片化されたゲノムサンプルにハイブリダイゼーションされた後、ストレプトアビジン磁性粒子で分離される。これにより、臨床医や研究者はゲノムから目的の領域のみを分離して濃縮し、配列決定できる。

ツイスト・バイオサイエンスのCEO兼共同創設者であるエミリー・ルプルースト (Emily Leproust) 博士は「目的の領域のみを配列決定できるため、ゲノムごとに必要な配列決定の量が大幅に削減され、したがって配列決定の総コストが削減されます。疾患の原因を解明したり、ゲノムを理解したりするために大規模な研究を実施することがとても現実的なことになります」と説明した。

Twist Exome 2.0 はクラス最高の性能を持つ新しくパワフルなエクソームパネルであり、橋渡し研究その他に利用できる

ツイスト・バイオサイエンスの Exome 2.0 のターゲット濃縮パネルはゲノムの最新モデルに基づいて設計されており、ACMG73、ClinVar、GenCode、RefSeq などといった主要な遺伝子データベースから得た、疾患を引き起こす変異体を含んでいる。パネルで使用される独自の二本鎖プローブも、捕捉効率と配列決定性能を向上させるために最適化されている。

レプルースト博士は「私たちはゲノムに関する理解をますます深めており、配列アセンブリングを定期的に最新のものにしています。さらに多くのデータを収集することで、設計性能とターゲット濃縮製品の効率を継続的に改善する機会が得られます」と付け加えた。

Twist Exome 2.0 は、カバレッジの均一性とシーケンス効率の点で、他の利用可能なWESソリューションよりも優れていることが証明されている。公開されたテクニカルノートによると、このパネルはFold-80 スコアが 1.3 であり、競合する 4 つのパネルの中で最も均一性のあるカバレッジを備えているとされている。高い均一性、低い重複率、高いオンターゲット率を特徴としており、わずか6Gbのシーケンスデータであっても、少なくとも30倍のシーケンス深度でターゲット塩基の97％をカバーする。つまり、他のパネルと比較して、ツイスト・バイオサイエンスのソリューションは、より高品質のデータと効率的な収量を提供する。この比較は第三者研究所によって行われた。

加えて、Twist Exome 2.0 はGCバイアスが低いため、さまざまな GC レベルでターゲット領域を検出できる。さらに、36.5Mbのヒトエキソン領域、非タンパク質コード領域、テロメラーゼ逆転写酵素 (TERT) プロモーターをカバーできる能力が、このパネルの堅牢性を実証する。このパネルは、WESのカバレッジ広さ、深度、均一性の点で新たな業界ベンチマークを作り上げる。

レプルースト博士は「Exome 2.0 があるので、当社はクラス最高のシーケンス効率を実現しています。これは、他の市販のエクソームパネルと比較して、ゲノム全体で均一なカバレッジと低いオフターゲット率との間の最適なバランスを提供しています。カバレッジの均一性が高いので、最大限の効率を得るために、どの領域も必要以上に多くの配列情報を取得することはないように、あるいは情報不足とならないようにしたいと考えています」と述べた。

ツイスト・バイオサイエンスの他のターゲット強化 NGS製品と同様、Twist Exome 2.0 は、臨床医や研究者のさまざまなコンテンツ要件やワークフロー要件に合わせてカスタマイズが可能である。追加のプローブコンテンツを容易にスパイクインすることができ、パネルはサンプルの多重化に対応することができるため、1 回の実行で複数のサンプルを濃縮して配列決定することができる。

Twist Exome 2.0のライブラリー調製とターゲット濃縮のワークフローは堅牢であり、臨床医や研究者のさまざまな要求に応えるためにカスタマイズ可能である

上市以来、Twist Exome 2.0 は希少疾患におけるコピー数変異のスクリーニングからてんかんの遺伝的危険因子の絞り込みに至るまで、さまざまな研究分野で使用されている。Twist Exome 2.0 のパネルは直近の研究で、進行性脳腫瘍の一種である神経膠芽腫の遺伝的変異を判定するために使用された。

レプルースト博士は「当社のウェブサイトでは、ヒトゲノムを理解するためにTwist Exome 2.0 のパネルを使用したケースを数十例公開しています。その応用範囲は腫瘍学、発達疾患、先天異常、神経疾患などのさまざまな研究分野に及び、遺伝的要素を持つほぼすべての疾患の研究に使用できます」と指摘する。

クラス最高の特性を持つTwist Exome 2.0 は、WESにおける比類のないカバレッジと最適化された性能を重視している。これによりハイスループットシーケンスが可能になり、生殖細胞がんを含む様々な疾患の変異プロファイル、遺伝子変異、臨床表現型を研究することができる。また、NGS技術の限界を強く押し広げ続けてきたツイスト・バイオサイエンスの実績も反映している。

最後に、レプルースト博士は「ツイスト・バイオサイエンスでは、お客様がシーケンス中に最も効率的な方法でデータを最大化できるソリューションを作成しています。Exome 2.0 は、ゲノミクス研究者が求めている次の世代を象徴しています。プローブは最近のゲノムアセンブリ、低いGCバイアス、カバレッジの均一性を使い最新の内容に基づき設計されています。Exome 2.0 はゲームチェンジャーなのです」と強調した。