【AsianScientist】 科学の闘士たち

今年の国際女性デーにあたり、それぞれの分野の常識を塗り替えている力強い女性研究者たちを特集する。(2026年4月6日公開)

今年の国際女性デーに際し、Asian Scientist Magagine誌はアジアを代表する女性科学者たちを特集する。これらの女性科学者たちは皆、それぞれの分野で権威ある科学賞を受賞したばかりである。彼女たちは科学の限界を押し広げ、人々と環境を守るために人生を捧げてきた。また、彼女たちは各分野の若き研究者たちを指導し、扉を開き、鼓舞している。

クスミタ・アローラ (Kusumita Arora) 氏

インド・ドイツ科学技術センター所長 インド

アローラ氏は、地磁気学分野における貢献が認められ、インド地質学会より2025年度女性科学者賞を受賞した。アローラ氏は鉱業における探査や浅層構造の研究から、地球の重力ポテンシャルの研究に至るまで、地質学と地球物理学の多様な分野で30年以上の経験を持つが、特に現代の技術社会のあらゆる側面に影響を与える地球の地磁気の挙動を専門としている。アローラ氏は、100件以上の査読付き論文を発表し、多数の博士課程論文及びポスドク論文、並びに数十にも及ぶ修士論文の指導を行ってきた。

グエン・ミン・タン (Nguyen Minh Tan) 氏

ハノイ科学技術大学講師 ベトナム

グエン氏は、天然化合物と生理活性物質に関する研究を行い、医薬品への応用を推進し、ベトナム農産物の価値を高め持続可能な発展に貢献したことから、2024年度コバレフスカヤ賞を受賞した。グエン氏はそのたゆまぬ献身ぶりで知られており、ハノイ科学技術大学が発表したインタビューによると、仕事中はしばしば時間を忘れ、街中であっても同僚とプロジェクトについて話し合うことがあるという。

マルセラ・M・ナバセロ (Marcela M. Navasero) 氏

国立作物保護センター Scientist II(科学者II級) フィリピン

ナバセロ氏は2024年に大統領リンコッド・バヤン賞を受賞した。この賞は、自然害虫防除と農業バイオセキュリティにおける彼女のリーダーシップを称えるものである。ナバセロ氏は国立作物保護センターの迅速対応チームの最前線で活動し、害虫の迅速な評価、発生時の対応、侵入種の天敵の特定などを率先して行い、費用対効果の高い長期害虫管理システムを強化し、国家食料安全保障を守ってきた。

リサ・ン (Lisa Ng) 教授

A*STAR感染症研究所教授 シンガポール

ン教授は、ウイルス感染免疫学における先駆的な貢献と、アルボウイルス、特にチクングニア熱に関する画期的な研究を通じて世界的なパンデミック対策を推進したことが認められ、2025年度大統領科学賞を受賞した。ン教授は、2008年のASEAN「国際若手科学者・技術者賞」、2013年3月のA*STAR「最優秀メンター賞」など、数々の賞を受賞している。ン教授はシンガポール国立科学アカデミー (SNAS) の2022年度フェローであり、また、厳しい選考を経てヒト疾患免疫学者が集まる権威あるヘンリー・クンケル協会の会員にも選ばれている。

ハルクンティ・ペルティウィ・ラハユ (Harkunti Pertiwi Rahayu) 教授

スマトラ工科大学教授 インドネシア

ラハユ教授は、インドネシアにおける防災分野の第一人者であり、2025年には権威ある国連笹川防災賞を受賞した。ラハユ教授はインドネシア及びアジア太平洋地域における防災体制強化への長年の貢献が評価されており、科学を政策や地域社会のレジリエンス戦略に統合する上で極めて重要な役割を果たしてきた。彼女の研究は、特に津波早期警報システムや都市のレジリエンスといった分野において、国と地域の防災ガバナンスに大きな影響を与えてきた。

桂川美穂助 教授

京都大学助教 日本

桂川助教は、硬X線宇宙観測技術とその加速器実験への応用に基づく学際的研究への貢献により、2025年度米沢富美子賞を受賞した。この受賞では、特に、宇宙における硬X線観測用に開発されたテルル化カドミウム (CdTe) 半導体検出器を用いて低エネルギー負ミューオンビームを使用する非破壊元素分析技術の精度向上に貢献した功績が評価された。また、小動物の生体内において放射性同位元素を正確かつ同時に画像化する新しい手法の開発にも貢献した。

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