APECビジネス諮問委員会が持続可能なAIインフラと投資に関する宣言を発表

アジア太平洋経済協力(APEC)は7月25日、APECビジネス諮問委員会(ABAC)が持続可能な人工知能(AI)インフラと投資に関する宣言を発表したことを明らかにした。

AIは、地域全体の経済と社会を急速に変革し、イノベーションを解き放ち、生産性を高め、包括的な成長を促進する可能性を秘める。しかしながら、これらはデータセンターやそれを支える電力網を基盤とするインフラなしでは機能しない。AIの開発や発展を支える強靭で効率的で持続可能なインフラがなければ、AIの利点を最大限に活用することはできない。

ABACのAIとデジタルイノベーション作業部会の議長であるジャン・デ・シルヴァ(Jan De Silva)氏は、「エネルギー格差は不平等を深刻化し、デジタル経済への参加を制限しています。デジタルデバイドはもはやテクノロジーだけでなく、資本へのアクセス、送電網の回復力、人的能力にも関係しています。私たちの宣言は、APECの2025年のビジョンである持続可能な明日への構築に対するコミットメントを再確認するものです」と述べた。

今回のABACの会議は、韓国の仁川で8月4~6日に開催されるAPEC第1回デジタル・AI閣僚会議に先駆け行われた。会議では、次の4つの行動を優先して取り組むことを確認した。

  • 持続可能なAIインフラへの投資の加速
  • AIのライフサイクルへの持続可能性の組み込み
  • 経済間の協力と投資の促進
  • 政策と基準を可能にするための提唱

ABAC議長であるHS チョー(HS Cho)氏は、「ABACは、革新的で包摂的であるだけでなく、持続可能で回復力のあるAIを活用した未来を形作るという取り組みを再確認します。私たちは、政府、産業界、学界、市民社会に対し、APEC地域全体が責任あるAIの構築に向けた共通の取り組みに参加するよう呼びかけます」と述べた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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