医療製品へのアクセス改善へ、規制調整の進展を報告 APEC

アジア太平洋経済協力(APEC)は10月8日、APEC規制調和運営委員会(RHSC)が承認した新たな調査結果を踏まえて、APEC加盟国は医療製品の規制アプローチの調整において測定可能な進展を遂げていることを発表した。

RHSCは、APEC基準・適合性小委員会(SCSC)の下で運営されており、医療製品における規制の整合性を推進する中心的な役割を担う。2008年に設立されたRHSCは、規制当局、業界専門家、国際機関を結集し、最適な方法の促進や重複を減らし、APEC加盟国の規制システム全体で信頼を築いている。この活動は、コストを削減し、地域市場の予測可能性を強化しながら、安全で効果的で高品質の医療製品への患者のアクセスを加速することを目的とする。

RHSCは8月に開催された韓国の仁川の会合で、進化する規制の優先事項を反映して措置を改良することを目的とした指標プロジェクトの第2弾を開始した。ここでは措置の進捗状況を追跡し、地域の戦略に情報を提供するため、2026年にフォローアップ調査の実施を予定している。

RHSCは調査の承認と並行し、規制協力の形成に関する課題の政策対話を招集した。APEC加盟国の当局は、国際ガイドラインの一貫した採用を奨励することで、複数地域での臨床試験を拡大する方法を模索し、患者が新しい治療に早期にアクセスできるようにした。また、希少疾患や希少疾病用医薬品へのアクセスを改善するための道筋を検討し、業務分担や相互承認の価値を実証するアクセスコンソーシアムなどの取り組みを含めた規制信頼モデルについて議論した。

RHSCの活動は、開放貿易と投資を促進し、イノベーションを加速させ、国境を越えた協力を強化するというAPECの広範なアジェンダの一部である。APEC加盟国は、規制の収斂を進めることで、障壁を減らし、ビジネスの確実性を促進し、安全で効果的な製品をアジア太平洋地域の患者に提供することを目指している。

SCSC議長のカン・ビョング(Kang Byung Goo)博士は、「医療製品規制の収斂は、標準設定と協力が経済成長と公衆衛生にいかに役立つかを示しています。APEC加盟国は協力により、規制慣行を改めるだけでなく、信頼を構築し、リスクを低減し、地域協力のより強固な基盤を構築しています」と強調した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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