台湾の中央研究院(Academia Sinica)は1月2日、頼清徳(Lai Ching-te)総統が陳建仁(Chen Chien-Jen)院士を第13代中央研究院院長に任命したと発表した。

(出典:Academia Sinica)
中央研究院院長選考ガイドラインの規定に従い、この任命には選考プロセスを監督する独立した院長選考委員会が設置された。2025年12月13日に開催された第25期中央研究院評議会第5回会議において、院長候補者3名が選出され、総統の最終決定に付された。同氏は2026年1月2日、正式に任命された。任期は2026年6月21日~2031年6月20日までの5年間となる。
同氏は現在、中央研究院のゲノム研究センター(Genomic Research Center)の特別研究員を務める。専門分野は疫学、ヒト遺伝学、公衆衛生学、予防医学にわたる。同氏は烏脚病と慢性ヒ素中毒に関する先駆的な研究で国際的に高い評価を受け、飲料水中のヒ素濃度の世界基準の確立につなげた。またB型肝炎と肝臓がんに関する研究では、世界中の臨床ガイドラインの基礎となり、世界の公衆衛生に大きく貢献した。
同氏は台湾大学動物学科を卒業し、米国のジョンズ・ホプキンス大学で疫学の博士号を取得した。その後、台湾大学公共衛生学院(College of Public Health)の教員となり、公共衛生研究所所長や疫学研究所初代所長、公共衛生学院の学院長などの役職を歴任した。2006年から中央研究院ゲノム研究センターの特別研究員となり、2011~2015年まで中央研究院の副院長を務め、組織の発展と学際的研究の推進に貢献した。また同氏は1998年に中央研究院の院士となり、2005年に世界科学アカデミーフェロー、2017年に全米科学アカデミー国際会員、2021年にローマ教皇庁科学アカデミー会員に選出された。
同氏はこれらの学術的業績に加え、長年にわたり公共サービスと科学技術行政にも注力した。国家科学委員会の主任委員や衛生署の署長を務め、台湾の科学技術政策の推進や公衆衛生・疫病予防システムの強化に尽力した。また2016~2020年にかけて台湾副総統、2023~2024年にかけて行政院院長を務め、統治の安定化、技術革新の促進、公共行政の推進に貢献した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部