2024年06月
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6Gの世界標準にコミット、通信からデジタル経済インフラへ ベトナム

ベトナム情報通信省(MIC)は5月20日、ベトナムが従来の通信インフラから高度なデジタル経済インフラへの移行に伴い大きな変革期を迎えていること、さらに第6世代移動通信システム(6G)技術を展開し、それに向けて6G専門の運営委員会を設立した世界で最初の10カ国のうちの1つとなったことを発表した。

電気通信技術は、情報通信技術(ICT)と同様に、気候変動、飢餓の撲滅、デジタル格差の解消といった差し迫った世界的課題に取り組む上で重要な役割を果たす可能性がある。これらの進歩は、国連とその加盟国が2030年までに設定した持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献する。

ファン・タム(Phan Tâm)情報通信副大臣は、5月17日の「世界情報社会・電気通信日」を記念して「持続可能な開発のためのデジタル創造性」を2024年のテーマとして強調し、ICTとデジタル技術の重要性を訴えた。

世界的に見るとデジタルアプリケーションの収益は、通信収入全体の50%以上を占め、年間約10%のネットワーク成長率に寄与する。第5世代移動通信システム(5G)技術への投資は直接的に10%の成長を生み出し、5Gエコシステム全体の成長も促す。MICは、産業化と近代化、労働生産性向上のため、5G技術を使用したネットワーク構築とサービス提供ライセンスを通信事業者に授与した。また、6Gネットワークはまだ研究開発段階だが、遅くとも2028年から2030年には正式に発表される見通しだ。6Gの研究開発には国営通信会社のビッテル(Viettel)社やベトナム郵政通信総公社ベトナム郵政電信グループ(VNPT)社などが取り組んでいる。

MICのファム・ドゥック・ロン(Phạm Đức Long)副大臣は「ベトナムは6Gの世界標準にコミットしています。MICは企業と協力し、この技術の研究と推進に積極的に取り組んでいます。6G機器の研究と生産は、ベトナムの新産業への道を切り開くでしょう」と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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