2024年07月
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デジタル空間発展のための情報インフラ構築を進める ベトナム

ベトナム情報通信省(MIC)は6月10日、ベトナムの情報インフラを構築するために2024年1月に首相が2021~2030年までの情報通信インフラ整備計画に関する決定を下し、2050年までのビジョンを示し、デジタル時代における国の新たな価値を生み出すための有利な環境を整え、国家競争力を高めることを目指していることを伝えた。

ベトナムは1997年11月にインターネットを導入し、現在では世界最速クラスの速度を誇る強力な情報技術基盤を保有している。また、インターネット利用者の割合は人口の80%近くと比較的高く、携帯電話の利用も進んでいる。さらにベトナム国内にデジタル技術を扱う企業が6万4000社あり、海外に収益源を持つ企業も1500社ある。これらの状況は、ベトナムがデジタル分野の継続的成長にとって有利な基盤となっている。

一方で、ベトナムのITインフラは依然として限られており、通信とITインフラの発展速度がモノのインターネット、スマートシティ、自律走行車、スマート製造の要件を満たしていない。また、デジタル経済の基盤となるデータベースが散在し、欠陥があり、標準化されていないこと、決済インフラを支える電力インフラがまだ要件を満たしていないことなどの問題がある。これらの問題の背景には、インフラ計画と開発における一貫性の欠如、接続性の欠如、長期的ビジョンの欠如があった。

この状況を受けて、2024年1月に首相が、2021~2030年までの情報通信インフラ整備計画に関する決定を下し、2050年までのビジョンを示した。計画では、デジタル政府、デジタル経済、デジタル社会の発展のための安全で信頼できる環境を構築するため、郵便ネットワーク、デジタルインフラ、IT産業インフラ、国家デジタル変革プラットフォーム、サイバー情報安全、サイバーセキュリティシステムを連携させることを基本に、情報通信インフラ開発全体の基準を示している。

計画を実施するために、早急に国内及び国際標準に準拠した多目的の国・地域データセンターやその他のデータセンターを建設することが必要である。これにより、政府のデータ収集、保存、管理、提供、統合、共有、分析における根本的かつ包括的な変革の基盤が構築され、国民に公共サービスを提供し、社会経済発展を促進しながら、社会管理の目標が確保されることとなる。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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