フィリピン科学技術省(DOST)は7月25日、DOSTの帰国科学者(Balik-Scientists)の支援を受けて、ミンダナオ大学(UM)が国内初となる生体分子工学研究所(UMBEL)を開設したと発表した。
(出典:DOST)
UMBEL開設の目的は、環境廃棄物を価値ある工業化合物に変換し、環境汚染物質を検出するための革新的なバイオセンサーを開発することである。UMBELは、最先端のアプローチと技術を用いて生体分子工学の研究を推進する。特に、代謝工学と合成生物学を融合させ、非病原性微生物の工学的研究を通じて、差し迫った環境問題に取り組むことに重点を置いている。UMBELの研究テーマは以下の通り。
開所式には、DOSTの帰国科学者であるアンジェロ・バナレス(Angelo Banares)博士(代謝工学)、チョセル・ラワゴン(Chosel Lawagon)博士(ナノテクノロジー)、テレンス・アル・アバキータ(Terence Al Abaquita)博士(作物保護、神経生物学、時間生物学、細胞・分子生物学)の3名が、研究所の機能を強化するための共同研究を紹介した。
DOSTのレナート・U・ソリダム(Renato U. Solidum Jr.)大臣は、「本日のUMBELの発足は、3人のDOST帰国科学者による補完的なスキルと知識の賜物です。この研究所は、代謝工学における国の能力を強化し、環境問題を解決するためのイノベーションを開発する正しい方向性を示す大きな一歩となります」と述べ、今後の成果に大きな期待を寄せた。
帰国科学者プログラム(BSP)は、学術機関や官民機関の科学技術人材を強化することで、情報交換を促進し、国内への新技術の導入を加速することを目的に始められた。このプログラムを通じて、フィリピン人科学者や技術者がフィリピンに戻り、居住し、彼らの専門知識を国内で共有することを奨励している。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部