シンガポールの南洋理工大学(NTU)は、炭素を捕捉する3Dコンクリートプリント法を開発し、建設産業が環境に与える影響を低減する新たな道筋を示した。研究成果は科学誌Carbon Capture Science & Technologyに掲載された。
新たに開発された3Dコンクリートプリンティングプロセスでは工業プロセスから副産物として回収された蒸気と二酸化炭素を混合コンクリートに注入する。その結果、コンクリートの機械的特性が改善され、従来の3Dプリントコンクリートよりも強度が向上することが示された。
この革新的な方法は、材料使用量の削減、建設時間の短縮、必要な労働力の削減を通じて、世界の二酸化炭素排出量の約8%である16億トンにあたるセメントからの二酸化炭素排出量を大幅に削減することを目的としている。
(2024年12月16日付発表)
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部