フィリピン科学技術省(DOST)は、研究者が手書き文字を評価するためのツールを開発し、より多くのテストを実施するため、国内でパートナーを募集していると発表した。
iSULATペンを試す科学・技術・イノベーション週間(NSTW)の来場者
(出典:DOST-PCHRD)
この手書き文字の評価ツールは、筆使いの活用や学習、評価、試験を意味するインテリジェント・ストローク・ユーティライゼーション・ラーニング・アセスメント・アンド・テスティング(iSULAT)と呼ばれ、視覚運動技能テストやミネソタ・ハンドライティング・アセスメント、子どもの手書き評価ツールのような一般的な評価ツールに基づく客観的な子どもの手書き文字の評価を可能にするインテリジェントペンである。
iSULATは、ペンにマイクロコントローラーが内蔵されており、データがモバイルアプリケーションに送られる。転送された信号は、フィルタリング、特徴量スケーリング、エンジニアリングデータ、分析などの過程を経て、診断のために作業療法士に送られる。作業療法士は、ペンから送られてきた文字配置や間隔、一貫性のデータから効率的に文字の評価を行う。
DOSTフィリピン保健研究開発評議会(PCHRD)によると、発達遅延のある子どもの標準的な評価は非常に手間の掛かる作業であり、作業療法士や専門家による支援を受けながら実施する必要がある。手書き文字の問題を抱える子どもたちは、このiSULATの導入により、グループで同時にテストを受けることが可能となる。
iSULATのプロジェクトマネージャーであるジョメル・ヘラス(Jomel Herras)氏は、「このような機器の開発にはテストが必要です。1回のテストだけではなく、より多くの人々により、より多くのチェックが行われるべきです。プロトタイプの正確性や性能をテストする必要があります」と述べ、iSULATが解決しようとしている問題は、作業療法士の不足と高額な治療費であることを強調した。
2024年の科学・技術・イノベーション週間(NSTW)の来場者は、聖トマス大学の研究者たちが開発したこのiSULATを試した。プロジェクトチームは、今後のテストの実施に向けて、マニラ首都圏のフィリピン教育省(DepEd)担当局と提携することを決めた。このプロジェクトは、DOST-PCHRDの資金提供を受けて行われている。
(2024年12月27日付発表)
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部