2025年03月
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日本からの支援を受け、感染症治療薬開発の研究を促進 インドネシア

インドネシア国家研究革新庁(BRIN)は2月17日、マレーシアのマラヤ大学とともに、日本政府からの支援を受けて行われた感染症治療薬開発研究の活動内容について発表した。

この支援は、SATREPS(地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム)の枠組みで、独立行政法人国際協力機構(JICA)及び日本医療研究開発機構(AMED)を通じて行われた。本取り組みは、マラリア、アメーバ症、デング熱、結核などの治療薬開発における両国の研究者の能力を高めることを目的としている。2021年9月から5年間行われ、日本とマレーシアからは有名研究機関が参加をしている。

BRINのアグス・ハリョーノ(Agus Haryono)研究・イノベーション促進担当部長代理は、同国の健康問題、特に結核などの感染症に関する問題を明らかにした。「インドネシアには豊かな生物資源があり医薬品開発研究において戦略的な役割を担っています。科学技術に基づく持続可能な経済転換を促すため、研究とイノベーション能力を高める必要があります。また、このプロジェクトは我が国における医薬品開発のエコシステムを強化し、世界の健康問題についても解決できる可能性があります。関係する皆さんがこのプロジェクトを活用し、研究能力の向上や交流の輪を深めることを期待しています」と強調した。

2月17日に行われたイベントでは、インドネシアとマレーシアの研究チームによる医薬品開発研究の進捗状況が発表された。プロジェクトのチーフアドバイザーである東京大学の野崎智義教授は、これまでの進捗状況を評価し、医薬品候補化合物の構造最適化と非臨床試験について、来年度、特に重点を置く必要性を強調した。

このイベントでは、来年度の評価や活動計画に関する戦略的な議論も行われた。アグス氏は、インドネシアにおける医薬品開発研究のエコシステムを実現するために、これまで築いてきた研究協力を継続・強化することの重要性について表明した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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