ベトナム情報通信省(MIC)は2月20日、国内の科学技術研究の商業化を加速するための政策改革を発表した。
この政策は研究成果の市場導入を阻む障壁を取り除き、技術移転とイノベーションを促進することを目的としている。グエン・マイン・フン(Nguyen Manh Hung)情報通信相は、現在の制度は、研究機関に複雑な手続きや過剰な説明責任を課すことでリスクを最小化しようとするものであり、野心的でリスクの高いプロジェクトへの挑戦を阻むものであると指摘した。そこで、5月までに国会は、科学技術の商業化における新法案や関連法を可決する見込みである。
決議案では、ほとんどの研究プロジェクトに対して最終的な成果をあらかじめ設定することなく一括で資金提供する仕組みを提案している。また、プロジェクトが一定の成果を達成できなかった場合でも資金の返還が求められないことが特徴だ。さらに、研究成果の商業化を促進するために、研究機関に研究成果等の商業化についての独自決定権を与えており、研究者は商業化収益の少なくとも30%を受け取ることが可能となる。これにより、研究者が事業運営に直接関与できる環境が整備される。
加えて、同相は電気通信インフラへの投資拡充の緊急性を強調した。特に、海底光ファイバーケーブルへの投資加速のため、ベトナム企業への直接発注を認める方針を示している。また、低軌道衛星通信については、一定の要件を満たした場合に限り、国外企業の参入を認める方針だ。さらに、国家デジタルトランスフォーメーションの普及促進のための法案や、半導体産業への投資を強化する提案も本議決案には含まれている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部