2025年07月
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AI関連プロジェクトに26億フィリピンペソ超を投資 フィリピン

フィリピン科学技術省(DOST)のレナート・ソリダム(Renato Solidum Jr.)科学技術相は、2028年までに人工知能(AI)関連プロジェクトに26億フィリピンペソ超を投資する計画を発表した。国営フィリピン通信社(PNA)が6月9日に伝えた。

レナート・ソリダム科学技術相はマカティ市で開催されたイベントで、AI(人工知能)プロジェクトに26億フィリピンペソ以上を投資する計画を発表。投資対象は、医療、教育、モビリティ、環境、防災、新興技術など
Screengrab from UNDP Philippines Facebook (出典:PNA)

同相は、DOSTがAIに関する国家戦略を進める一環として、施設・サービス整備、人材育成、研究開発、政策整備を柱とするAIロードマップを策定し、投資計画では産業、医療、教育、モビリティ、環境、防災、新興技術など幅広い分野にAIを展開する方針を示した。また、DOSTでは国家AI戦略と枠組みを開発するために、官民学連携による「AIシンクタンク」の設立を主導している。

これまでにもDOSTは、スーパーコンピューター施設「COARE」や、リモートセンシングとビッグデータを活用したSkAI-Pinasプログラム、全国規模の災害リスク評価を進めるACERプログラムなどを支援している。さらにAI PinasサマースクールプログラムやSPARTAなどの研修プログラムを通じて、4万9千人以上の人材育成にも貢献してきた。

今後は、AI研究の中核拠点となるAIバーチャルハブも設立予定であり、これは、AI研究開発のためのナショナルセンターとなり、国内スタートアップや研究機関との連携を通じて、専門家を育成するものとなる。

フィリピンは、2024年のAI準備指数で前年の65位から56位へと順位を上昇させており、同相は「公共サービスの提供と開発においてAI活用力が高まっていることを証明している」と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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