フィリピン科学技術省(DOST)は9月5日、DOST傘下の森林産品研究所(DOST-FPRDI)がフィリピンのレイテ州バイバイ市のビサヤ州立大学(VSU)に森林製品イノベーション・トレーニングセンター(FPITC)を開設したことを発表した。

(出典:DOST)
FPITCは、東ビサヤ地方の森林由来産業を対象に、製品設計や加工、人材育成を支援し、木材・非木材資源の持続可能な利用を促進することを目的とする。新設されたFPITCは全国で3カ所目の設立であり、DOST-FPRDI、DOST第8地域事務所、DOSTレイテ、およびVSUの協力によって実現した。施設には集じん機、乾燥機、CNCルーター、3Dプリンター、レーザー彫刻機などが整備され、研究・研修・技術移転を通じて地域社会や中小企業を支援する。施設は中小企業も利用可能で、木材や竹の窯乾燥設備を有料で使用でき、予算管理省の補助に依存しない持続的運営を目指している。
DOST-FPRDIのリコ・J・カバンゴン(Rico J. Cabangon)所長は「本センターは林業の専門性を高めるとともに、理工系の学生を引きつけるプラットフォームとなります。ここから中小企業に役立つ研究成果や革新的製品を生み出すことを目指しています」と語った。重点分野にはデザイン革新による森林由来製品の改良やグリーン技術の推進、施設改善、人材育成の強化などが含まれている。
また、DOST-8地域ディレクターのジョン・グレン・D・オカーニャ(John Glenn D. Ocaña)氏は「FPITCは研究と起業、地域資源が交わる拠点であり、VSUを地域のイノベーションセンターとして強化します」と述べた。
FPITCはDOSTの戦略的枠組み「OneDOST4U」を体現するもので、人間の幸福、富の創出、富の保護、持続可能性の4本柱を掲げている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部