2025年10月
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「ゴールデン・インドネシア2045」実現に向け3つの国家優先プログラムを推進

インドネシア政府は9月10日、政府が掲げる「ゴールデン・インドネシア2045」の実現に向けて進められている3つの優先プログラム、無料栄養食提供(MBG)、無料健康診断(CKG)、人民学校(Sekolah Rakyat)の進展状況を発表した。

開始から7か月目を迎えた無料栄養食プログラムはすでに良好な成果を上げており、このプログラムはインドネシアの子どもの健康改善に加え、雇用創出にも大きく貢献している
Photo: Courtesy of ANTARA FOTO/ Basri Marzuki (出典:Indonesia.go.id)

MBGは開始7カ月で全国の学童、未就学児、妊婦、授乳中の母親ら2000万人にサービスが提供されている。プログラムの効果はすでに、学校出席率の改善や学業成績の向上などといった形で現れている。インドネシアの全38州に5800のサービス拠点が設置され、29万人の雇用創出や100万人の農業・水産・畜産従事者支援など、農村経済の活性化にもつながった。国民調査では82%が有益と評価し、強い支持が示されている。

CKGは全国の38州、510自治体と1万132カ所の保健センターで実施され、8月までに2000万人以上が利用した。健診の結果は年齢層を問わず喫緊の健康課題を浮き彫りにしている。新生児では19.3%が胆管疾患、6.1%が低出生体重、幼児では31%が虫歯、成人では43.4%が虫歯、34.9%が肥満、高齢者では40.9%が高血圧を示した。歯科疾患と高血圧は、健康的なライフスタイルや医療制度改革といった予防策を必要とする主要な問題として際立っている。

人民学校は貧困の連鎖を断ち切ることを目的に設立され、寮やデジタル教室を備え、生活支援と教育を包括的に提供する。2025年には159校が運営され、1万5370人の低所得家庭の子どもを受け入れており、年末までにさらに6校の開校が予定されている。

大統領広報室(PCO)は、栄養が子どもの健全な成長を支え、医療が生産性を確保し、教育が貧困からの脱却を可能にする3本柱が相互に補完することで、国民全体の生活の質を高めると説明している。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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