2025年10月
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グローバル・イノベーション・インデックスで50位に上昇 フィリピン

フィリピン科学技術省(DOST)は、同国が2025年のグローバル・イノベーション・インデックス(GII)で50位に入り、前年から3つ順位を上げたと発表した。国営フィリピン通信社(PNA)が9月17日に伝えた。

(出典:DOST)

GIIは世界知的所有権機関(WIPO)が世界各国の知識パートナーとともに毎年発表しており、人的資本や研究開発(R&D)機関、成果などのイノベーションへの投入に基づき139以上の経済圏を評価する。フィリピンは2022年に59位、2023年に56位と着実に順位を上げていた。

DOSTは今回の順位向上について、科学、技術、イノベーションが国家の経済・社会発展を形作るうえでの役割が拡大していることを示すものだと説明している。レナート・ソリダム(Renato Solidum Jr.)科学技術相は「科学、技術、イノベーションはすべての国民や地域社会に解決策と機会をもたらさなければなりません」と述べ、研究を製品やサービス、産業に転換する重要性を強調した。

過去3年間、DOSTは全国17地域で3000件を超えるR&Dプロジェクトを支援し、大学や研究コンソーシアムが気候変動対応、医療技術、デジタル化、高度製造業といった国家課題に取り組めるよう後押ししてきた。また、4万5000人以上の学部・大学院生に奨学金を提供し、フィリピン科学高等学校システムでは毎年6000人以上の若手を育成している。

さらに、同省はフィリピン商工会議所(PCCI)と共同で、技術を産業界と結び付けるDOST-PCCIビジネステクノロジーハブを運営し、研究成果の商業化を推進している。DOSTは今後も科学、技術、イノベーションを国家進展の中心に据え、同国を新興イノベーション拠点として位置付けることを目指している。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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