2025年11月
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スマートコミュニティの実践、国内初の電気旅客フェリー公開 フィリピン

フィリピン科学技術省(DOST)は10月8日、同省が推進するスマートで持続可能なコミュニティプログラム(SSCP)の実践例として位置づけられる、国内初の電気旅客フェリーM/Bダラレイ(Dalaray)を公開した。

国内初の電動旅客フェリー「M/B ダラレイ」が、2025年10月6日の就航時にジョーンズ橋付近のパシッグ川を航行。このフェリーは、今年11月に本格運航を開始する予定
(出典:DOST)

M/Bダラレイは、フィリピン大学ディリマン校の発明者らが開発した太陽光発電式フェリーで、最大積載量5トンまたは乗客40名と乗組員3名を収容できる。8ノットで航行し、航続距離は45km。2~3時間の充電で最大3時間の連続運航が可能であり、2025年11月に本格運航を開始する予定だ。資金はDOSTが提供し、産業・エネルギー・萌芽技術評議会(DOST-PCIEERD)が監督している。

DOSTのレナート・ソリダム(Renato U. Solidum Jr.)科学技術相は「M/Bダラレイはフィリピン初の国産電気フェリーであり、より環境に優しくスマートな移動手段への一歩です」と説明する。このフェリーはフィリピンのマニラ首都圏の渋滞緩和や大気汚染の軽減に加え、災害時の代替輸送手段としても期待されている。同相は「マニラにも大地震の被害が出る可能性があります。そうなれば、マニラの道路は深刻な影響を受ける可能性があります。私たちの提案の一つは、パシッグ川沿いとラグナ湖を横断する交通システムを整備することです」と述べ、同フェリーが防災力向上にも寄与することを指摘した。

DOSTは2014年以来、電気自動車関連技術に9億6260万ペソ以上を投資しており、持続可能なモビリティ推進への取り組みを続けている。SSCPはDOSTが推進するイニシアチブの1つであり、人間の幸福、富の創造、富の保護、持続可能性という4つの戦略的柱を通じて、科学に基づいた革新的で包括的なソリューションを提供することを目指している。これらの柱は、「OneDOST4U:すべての人ための解決策と機会」というDOSTのスローガンを体現している。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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