2026年03月
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独自のシリコンチップ産業構築に向けた取り組み ベトナム

ベトナム科学技術省(MoST)は2月8日、設計から試験、パッケージング、国内製造に至る独自のシリコンチップ産業の構築に向けた取り組みを進めている現状を明らかにした。

1月28日には、FPT社がベトナム企業として初となる先進半導体試験・パッケージング工場の設立を発表した。同工場は国内半導体エコシステムの構築に寄与し、世界の半導体バリューチェーンにおける同国の地位向上を目指すものとなる。これは、政治局決議第57号および半導体産業発展国家戦略の実行の一環であり、2030年までに半導体分野で5万人の人材を育成するという国家目標の達成も支援する予定だ。5万人のうち少なくとも3万5000人が製造、パッケージング、試験などに従事する計画である。

ベトナムはこれまで、米国のインテル(Intel)社やアムコー(Amkor)社、韓国のサムスン(Samsung)社など外資企業による組立・試験拠点を通じて半導体産業に関与してきた。近年は国内エンジニアと企業がチップ設計など高付加価値分野で経験を蓄積してきている。また、ベトナム政府は2024年に国家半導体開発戦略を策定し、税制優遇や土地配分、投資インセンティブを整備して産業基盤の強化を図っている。

さらに2026年初頭には、国営通信・技術複合企業であるベトテル(Viettel)グループがホアラック・ハイテクパークで国内初の半導体製造工場を着工した。FPT社の施設と合わせ、より統合的で自立した半導体エコシステムの構築を進めることが可能だ。

一方で、最先端製造には超精密機器と高度な専門人材が不可欠であり、技術力と人材の不足が課題となる。また、半導体工場の建設・運営には数十億ドル規模の投資が必要で、台湾、韓国、米国など既存拠点との資本獲得競争も厳しくなっている。ベトナムはこうした課題を克服しつつ、戦略技術としての半導体分野で競争力を高める方針である。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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