タイ高等教育・科学・研究・イノベーション省(MHESI)のヨッチャナン大臣は、4月10日、同省が策定した「MHESI 2026-2030年行動計画(MHESI Action Plan 2026-2030)」に関するブリーフィングを実施した。同行動計画は、科学技術とイノベーションを通じて、タイ国民が長期的に豊かになるための基盤を構築するとともに、2030年までにタイを「高付加価値経済」へ移行させることを目標としている。目標の実現に向け、以下の4つの主要戦略が示された。
- イノベーションによる経済構造の転換:イノベーション主導型成長を推進し、これまでの「技術を購入する国」から、「価値を創出する国(Value Creator)」へと転換させ、国の潜在力を引き出す。
- 経済成長エンジンの強化:既存産業の生産性向上と新たな収入源の創出を図るため、農業技術の活用を通じて農家からバイオテクノロジー起業家への転換を図るとともに、電気自動車(EV)およびプリント回路基板(PCB)産業などの製造業を世界レベルの製造拠点へと高度化する。さらに、音楽・スポーツ・芸術などのクリエイティブ経済と文化を活用したクリエイティブツーリズムを促進する。また、新たな成長エンジンを創出するために、半導体産業、タイ国民のためのゲノム医療(Genomics Thailand)、量子技術、宇宙イノベーションなど、最先端研究開発の推進を通じて海外直接投資を呼び込む。
- 大学改革と人材育成の推進:大学の学問の自由を保障するとともに、優秀人材を育成する世界レベルの大学を創出する。タイ大学学長委員会と連携し、未来スキルに重点を置くとともに「すべての人のためのAI(AI for ALL)」の活用により、教育格差の是正と教育の効率化を図る。
- 政府とエコシステムによるシナジー効果を創出:大学、政府機関、民間企業、スタートアップ、資金提供機関の5者がシームレスに連携する、MITの「5ステークホルダーモデル」を活用し、イノベーション・エコシステムを構築する。デジタル政府システムを通じ、法の支配と腐敗のない高い透明性を確保した行政運営を推進する。
本行動計画の詳細文書は、近く正式に公表される予定である。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部