2026年06月
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イノベーションを新成長モデルの原動力に ベトナム

ベトナム科学技術省(MoST)は5月6日、同国がイノベーションを生産性と競争力を高める主要な原動力に位置付けていると伝えた。

同国は近年、科学技術・イノベーション政策の枠組みを段階的に改善し、国家イノベーションシステム形成の基盤を築いてきた。2025年の科学技術イノベーション法は、初めて「イノベーション」の概念を法体系に取り込み、科学技術と同等に位置付けた。2025年国家予算法も、科学技術、イノベーション、デジタル変革への支出を拡大し、研究開発と技術応用に資源を優先配分する基盤となった。

MoST傘下の国家イノベーションセンター(NIC)のファム・ホン・クアット(Pham Hong Quat)局長によると、同国のエコシステムは現在、約4000社のスタートアップ、200超のベンチャーキャピタル基金、200超の支援組織、約100のスタートアップ・イノベーションセンターで構成される。2024年の同国スタートアップへのベンチャー投資は112件、約5億2900万米ドルに達した。スタートアップ・ブリンク社による2025年のグローバル・スタートアップ・エコシステム指数で同国は55位となり、ホーチミン市は初めて東南アジア上位5都市に入った。

政府は国家イノベーション・スタートアップ戦略に関する決議第86号を発出し、2030年までに約1万社のイノベーション・スタートアップ、15億ドルのベンチャー投資誘致、グローバルイノベーション指数(GII)上位40カ国、グローバル・スタートアップ・エコシステム上位45位入りを目指す。MoST傘下のイノベーション局長であるグエン・マイ・ズオン(Nguyen Mai Duong)は、企業を中心に据えたエコシステムを推進し、各省庁や地方でイノベーションセンターなどを形成していると述べた。

一方、専門家は最大の課題として、研究機関・大学、企業、国家を結ぶ仕組みの弱さを挙げる。多くの研究成果は商業化や生産移転に至っていない。ベトナム国家大学ホーチミン校(VNU-HCM)科学技術部長のラム・クアン・ビン(Lam Quang Vinh)准教授・博士は、国家、大学、企業によるトリプルヘリックスモデルの連携機構と、応用研究での利益配分整備が必要だと強調した。同国は今後、主要6都市に支援拠点網を設け、300以上のイノベーション空間・クラスターなどを整備する。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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