タイのチュラロンコン大学は5月11日、同大が工学部、商学・会計学部、Degree Plus社と共同で、人工知能(AI)エグゼクティブプログラム「NEXUS AI(Network for Executive Xceleration & Unbounded Scale)」第2期を5月5日に正式に開講したと発表した。
開講式と基調講演は、ヨドチャナン・ウォンサワット(Yodchanan Wongsawat)副首相兼高等教育・科学・研究・イノベーション相が主宰した。ウィラート・プリワット(Wilert Puriwat)同大学長ら大学幹部も出席し、官民双方から上級幹部68人が参加した。
同副首相は基調講演「タイのAI開発の方向性:タイのAI主権に向けて、国家を官民両部門とともに推進するための高等教育機関の役割」で、全国的なAI開発を加速する政府方針を説明した。この戦略は、農業、医療、バイオテクノロジー、ロボティクス、デジタルツインなどの先端技術を含む各分野の能力向上を目指す。また、同副首相は、タイをAI技術の「利用者」から自国AI技術の「開発者」へ転換することを国家目標として強調し、農業、中小企業、サービスなど主要産業の生産性向上や、ヘルスエコノミー、宇宙経済など高付加価値産業の創出にもAIを活用するとした。
NEXUS AI第2期は、第1期の成功を土台に、参加者が組織内でAIを戦略的に活用し、産業・国家レベルで効果を生み出すことを目指す。世界的なテクノロジーパートナーも加わり、知識と実践経験を提供する。ウィラート学長は、同大学がAIの利用者と創作者を同時に育成する「AI大学」を目指すと述べ、学界、政府、民間部門の連携強化がタイの競争力向上に必要だと指摘した。
開講式後には、アティウォン・スチャート(Atiwong Suchato)准教授が「AIユニバースを解き明かす:基礎からブレークスルーまで」と題する初回授業を担当した。会場では、同大学のタイ語音声文字起こし「Gowajee」、精神医学向けAI応用「AIMET」、OCR・業務自動化の「eikonnex OCR」、消化器系向けAI「DeepGI」、国立電子通信技術研究センター(NECTEC)の行政サービス向けPathumma LLM、電子取引開発庁(ETDA)のAIガバナンス枠組みなども紹介された。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部