フィリピン科学技術省(DOST)は9月11日、計画策定と意思決定に空間的思考を取り入れ、省全体で地理空間情報を活用する文化の強化を進めていると発表した。

(出典:DOST)
この取り組みは、DOSTのELEV8PHイニシアチブの下で地理空間分析の中核を担う地理空間分析ソリューション(GATES)プログラムが、8月25~26日にマニラ首都圏で開催したセミナー・ワークショップにおいて、注目を集めた。本省、付属機関、地方事務所の代表者が、問題の把握や対策の設計、プログラムの提供に空間的視点を組み込む方法を検討した。
初日は地理空間的思考の基礎や国内外での応用を扱った。フィリピン大学ディリマン校測地工学科のアレクシス・リチャード・C・クラリダデス(Alexis Richard C. Claridades)准教授が地理空間情報の基礎と空間的思考の価値を解説し、同学科のアリエル・C・ブランコ(Ariel C. Blanco)教授が各分野での活用例を紹介した。EUのフィリピン国家コペルニクス能力支援行動プログラムのリュック・フェレルスト(Luc Verelst)チームリーダーは、コペルニクス、INSPIRE、DestinEを含むEUの地理空間情報基盤を説明し、国際協力機構(JICA)デジタルトランスフォーメーションラボ(DXLab)の中島洸潤(Kojun Nakashima)副所長は、地理空間技術の活用とデジタルトランスフォーメーションに関する世界の経験と日本からの視点を共有した。
2日目は組織での活用に焦点を移し、開発協力担当次官補兼GATESプログラムリーダーのロドルフォ・J・カルザド(Rodolfo J. Calzado Jr.)氏が、地理空間的思考を組織能力に変える方法を説明した。研究員補兼GATESプログラムマネージャーのマイリーン・V・ヘレス(Mylene V. Jerez)氏が主導したワークショップでは、参加者が各部署の準備状況を評価し、空間的思考を業務に取り入れる方法を構想した。ヘレス氏は地理空間人工知能(GeoAI)の基礎と地理空間分析への応用可能性も紹介した。
GATESは、DOSTの地理空間データを計画、分析、意思決定、サービス提供に最大限活用することを目指す。レナート・U・ソリダム(Renato U. Solidum Jr.)科学技術相は、位置が重要な場面や、地理空間的手法で業務を改善できる分野を検討するよう参加者に求めた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部