【26-016】黄金発展期を迎えたブレイン・マシン・インターフェース産業(その1)
李 均(科技日報記者) 2026年02月16日
(左から)科学技術フェスティバルで「BMI惑星」を体験する子供。(撮影:陳沢国)、BMIバイオニックハンド。(撮影:龍巍/視覚中国)、侵襲型BMIインプラント(撮影:陳垚旭)、BMIスマート機器。(撮影:李博)
ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)が「念じる」ことで制御を可能にし、量子技術が計算の限界を再定義し、バイオ製造が10兆元(1元=約23円)規模の産業へと成長しているように、かつての科学的空想が、今や現実のものになりつつある。
手術から17日後、8年間麻痺が続いている患者が念じることで「スネークゲーム」や「マリオカート」をプレイできるようになった。また、別の高位脊髄損傷患者は、2カ月の訓練を経て、自律的な把持機能を回復しただけでなく、自分の名前を再び書けるまでになった......。
先日開催された2025BMI大会のメインフォーラムにおいて、復旦大学附属華山医院の毛穎院長が紹介したこれらの事例は、来場者にBMI技術の力を実感させた。
研究室から手術台へ、技術プロトタイプから臨床製品へ。中国のBMI産業は発展の機会を迎えており、「政策・標準・技術・産業・臨床」が協調して発展する「黄金の開発期」へと加速している。
三つの技術ルートが並行して発展
2025年は、業界内で中国のBMI発展「元年」と呼ばれた。
同年5月、上海階梯医療科技有限公司は超柔軟低侵襲埋め込み型BMIシステムの前向き臨床試験の進捗を発表した。6月には、南開大学の段峰教授チームが主導する世界初の介入型BMIによる人体患肢運動機能修復試験が完了した。11月には、武漢衷華脳機融合科技発展有限公司が華中科技大学同済医学院附属協和医院と協力し、中国製独自開発BMIチップによる初の臨床埋め込み手術を完了した。BMI技術のイノベーションは患者のニーズに寄り添い、一連の臨床的ブレイクスルーが相次いで実現している。
臨床成果が急速に増加している背景には、侵襲型、半侵襲型、非侵襲型という三つの技術ルートが並行して発展していることがある。
侵襲型技術は信号収集の精度が高いため、医療リハビリテーション分野の中核ルートとなっている。神復健行(上海)医療器械有限公司の加福民チームは、ブレイン・スパイン・インターフェース(脳脊髄インターフェース)を通じて麻痺患者を再び歩かせる4例の臨床概念実証に成功。術後2週間以内に、重度脊髄損傷患者4人が自律的な足の制御と歩行を実現した。
非侵襲型技術はもう一つの技術ルートだ。手術による外傷がなくコストも低いため、より広い市場へと拡大しつつある。杭州神踪科技有限公司が開発したマルチ睡眠モニタリング装置は、非侵襲型BMI技術を採用し、立方ミリメートル級の発生源特定を実現。脳波、眼電図、筋電図、心電図の指標を統合的にモニタリングでき、すでに1000以上の病院で導入されている。同社の共同創業者である孫煜氏は、「将来、医師はタブレットPCを使って、異なる都市にいる患者の睡眠モニタリング状態を確認し、診断レポートを作成できるようになるかもしれない」と述べた。
半侵襲型BMIは侵襲型と非侵襲型の中間に位置する技術であり、脳の表面または浅層に電極を埋め込むことで、侵襲型手術のリスクを軽減しつつ、多くの非侵襲型よりも質の高い信号を提供できる。博睿康技術(上海)股份有限公司が開発した半侵襲型BMIシステム「NEO」は、頭蓋骨に小さな穴を開け、硬貨大のBMIを埋め込む。被験者は念じることで、手の動きを司る指令を空気圧グローブに伝え、把持などの動作を実行できる。2025年5月、NEOは全国マルチセンター登録臨床試験を開始し、国内の計11病院が参加。累計32例の埋め込み手術を実施し、患者は3カ月以上の術後リハビリ訓練を行った。
技術のハードルを乗り越え、未来の扉を叩く。2025年、中国のBMI技術はコアデバイスやデコードアルゴリズムにおいても顕著な進展を遂げた。中国情報通信研究院知的財産権・イノベーション発展センターの李文宇主任は、「独自開発された複数のBMIチップや埋め込み型電極などのデバイスのチャンネル数が増加し、安定性も段階的に向上している。AI(人工知能)技術の急速な応用により、デコード精度が大幅に向上し、被験者の微細な運動意図のデコードなどに成功している」と述べた。
(その2 へつづく)
※本稿は、科技日報「脑机接口产业迎来"黄金发展期"」(2026年1月5日付)を科技日報の許諾を得て日本語訳/転載したものである。
