中国、550項目の国家標準を施行 スマート工場・自動運転・脱炭素も対象
Science Portal China編集部 2026年07月06日
中国国家標準化管理委員会が発表した550項目の国家標準(GB、GB/Tなど)が、2026年7月1日から施行された。今回施行された標準では、安全管理や消費者保護に加え、スマート製造、コネクテッドカー・路車協調、グリーン・低炭素など、中国が重点的に育成を進める科学技術・先端産業分野に関する標準が数多く盛り込まれた。
特に注目されるのが、「スマート工場安全一体化(智能工厂安全一体化)」に関する一連の標準である。同標準では、スマート工場の企画・設計から運用、保守、廃止に至るライフサイクル全体を対象に、安全要求、リスク評価、システム協調設計、評価方法を体系化した。AIや産業IoT、ロボットなどを活用した次世代製造システムの普及を見据え、安全性の確保に向けた標準整備を目的としている。
また、路車協調(V2X)に関する国家標準も整備された。交通管理システムと車載システム間の情報インターフェース、道路インフラおよびスマートコネクテッドカーのデジタルID・認証、情報交換規格などが規定され、車両情報の検証可能性や追跡可能性を確保する仕組みが整備された。これらは、自動運転やスマート交通インフラの大規模展開を支える基盤技術となる。
製造業分野では、建設機械の安全基準や、スマートテキスタイル(智能纺织产品)の技術要件も新たに整備された。スマートテキスタイルでは、機械的安全性だけでなく、電気安全、電磁両立性(EMC)、電磁放射、耐久性まで規定されており、ウェアラブルデバイスを含む新産業への対応を進めている。
グリーン・低炭素分野では、「工業企業温室効果ガス排出算定・報告通則」が施行された。同基準は、企業による温室効果ガス排出量の算定方法や報告手順、品質管理などを統一するものであり、中国が推進するカーボンピークアウト・カーボンニュートラル政策を標準化の側面から支える制度基盤となる。
このほか、電子運転免許証、レーザーポインターの安全基準、補聴器、気象防災など生活関連分野の標準も同時に施行された。
今回の550項目の国家標準は、安全性や品質管理の向上に加え、AI、スマート製造、自動運転、グリーン産業など、中国が重点分野と位置付ける戦略的新興産業の標準体系を整える狙いがあるとみられる。近年、中国では研究開発支援だけでなく、標準策定も産業競争力を高める政策手段の一つとされており、今回の一連の国家標準も、技術の社会実装や産業化を後押しする制度整備の一環と位置付けられる。
参考資料
- 中国中央人民政府「7月1日起 一批国家标准将实施」
- 中国科技網「7月1日起 550项国家标准将实施」
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