2025年12月08日-12月12日
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中国の研究チーム、1億9000万年前の恐竜の尾の痕跡を発見

2025年12月08日

 獣脚類の多くは二足歩行で、鋭い歯を持つ肉食恐竜として知られている。自貢恐竜博物館や中国地質大学(北京)などの共同研究チームはこのほど、四川省自貢市富順県で発見された複数の恐竜足跡化石の調査を終えたと発表した。研究によると、この地点にはジュラ紀前期(約1億9000万~1億8000万年前)の獣脚類恐竜による足跡と尾の痕跡が合計413個保存されており、初期獣脚類の多様性や運動能力、行動を読み解くうえで重要な資料となるという。関連成果はこのほど、国際的学術誌「Journal of Palaeogeography」に掲載された。光明日報が伝えた。

 調査対象となった主な標本は8枚の石板で、その表面には3本指形の獣脚類足跡が密集して残されている。足跡密度は非常に高く、1枚の石板では1平方デシメートル当たり約2個に達し、中国の下部ジュラ系としても例の少ない高密度記録となっている。

 解析の結果、足跡の多くは「蹺脚竜」のもので、長さは平均約14.5センチメートル。丸みのある趾球痕と鋭い爪痕が特徴的である。また、より大きな足跡の一部は「エウブロンテス型足跡」に分類され、最大の足跡は22.5センチメートルに達した。足跡の詳細な計測と生体力学分析から、これらの小型獣脚類は現生鳥類の「接地走行」に似た歩容を取っていた可能性があり、移動速度は時速約5.8~8.6キロと推定された。

 研究チームは、が化石に残された複数の細長い痕跡についてもミリメートル単位の精度で3Dイメージングを行った。分析の結果、足跡と共に数本の明確な尾の痕跡が確認された。これらの尾の痕跡は長さ20~40センチメートル、幅約2~3センチメートルで、深さは比較的浅く、恐竜の尾が地面に接触した直接的な痕跡であると断定された。

 中国地質大学(北京)の邢立達副教授は、「二足歩行恐竜の尾の痕跡は極めて珍しく、どのような行動で残るのかについては議論がある。今回の痕跡は、獣脚類が湖岸や水際で低速移動したり、立ち止まって周囲を観察したり、同種間のやり取りの中で攻撃的な姿勢を見せたりした際に残された可能性がある」と述べた。

 今回の研究は、世界各地で報告されている典型的な足跡タイプに対してアジアから新たな事例を提供しただけでなく、これら初期獣脚類が鳥類に似た運動能力を備えていた可能性を示す証拠も含んでおり、当時の生態系を復元するための新たな視点をもたらす成果となった。

(画像提供:人民網)

 
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