中国科学院紫金山天文台の「銀河絵巻」(MWISP)サーベイ計画はこのほど、ミリ波分子スペクトル線観測データの第1期(Phase-1)データセットを公開した。光明日報が伝えた。
同計画は、中国科学院紫金山天文台が主導して進める大規模なミリ波分子スペクトル線サーベイ計画だ。北天の銀河面付近の約2300平方度の天域をカバーし、星間の一酸化炭素分子からのミリ波信号を検出することで、銀河系における分子ガスの分布と構造を高精度に描き出している。
研究チームは2011年の観測開始から10年以上かけて、第1期サーベイを完了した。累計で1億本以上のスペクトル線データを取得し、現時点で最も整備されたミリ波一酸化炭素分子スペクトル線データベースを構築し、銀河系研究にパノラマ的な視点をもたらしている。
サーベイ計画は、青海省のデリンハにある紫金山天文台青海観測所の13.7メートル口径ミリ波電波望遠鏡を用いて実施されている。同望遠鏡は、中国で現在、ミリ波帯域で常時運用されている唯一の大型電波天文観測設備であり、その中核となるバックエンド機器である多ビーム超伝導イメージング分光計は、複数のスペクトル線の同時受信能力を備え、観測効率を従来のモードの約60倍に向上させ、銀河系分子ガスに対する高感度かつ高解像度でのサーベイ調査を実現している。
今回のデータ公開は、多波長天文研究の協同イノベーションをさらに推進するものとなる。サーベイ計画のデータは、FAST(500メートル口径球面電波望遠鏡)やLHAASO(高高度宇宙線観測所)などの中国国内の大型科学装置と補完し合い、国内外の研究チームによる恒星形成、銀河進化などの最先端研究を支援する。

「銀緯±1度」の範囲における銀河絵巻サーベイと他のサーベイの比較図。上図は銀河絵巻のC¹⁸O、13CO、12CO(1--0)を合成したRGB三色図で、密度の異なる分子ガス環境を表している。真ん中の図はGRSサーベイの13CO(1--0)積分強度図。下図はATLASGAL(870マイクロメートル、赤)とSpitzer GLIMPSE(24マイクロメートル、青)の合成図で、主に銀河円盤上のダストの熱放射を示している。(画像提供:人民網)