人型ロボットが軽快な足取りで飛び跳ね、回転しながら、音楽のリズムに合わせて難易度の高い武術の動作をこなす。春節(旧正月)を祝う中国の年越し番組で披露されたこの一幕は大きな話題となり、中国のAI(人工知能)発展の動向に対する関心が再び高まった。中国新聞網が伝えた。
今年の政府活動報告では、3年連続で「AI+」が言及され、さらに初めて「スマート経済の新形態を構築する」という表現が盛り込まれた。業界ではこれは重要なシグナルだと見られており、AIが技術的探求段階から脱却し、単なる「ツールによる能力強化」から、産業の深層的な応用と体系的な発展という新たな段階へと移行しつつあることを示している。
政府活動報告の起草グループのメンバーであり、国務院研究室副主任の陳昌盛氏は、この表現について、「今年初めてスマート経済の新形態を構築すると提起したのは、AI発展のチャンスを捉え、AIが各産業を支援する広がりと深さをさらに拡大するためだ」と解説した。
全国政協委員である、奇安信の斉向東董事長は、「スマート経済」が経済・社会の新たな飛躍に無限の想像空間をもたらし、巨大な応用シーンの需要を解き放つと期待を示した。
産業の実践例を見ると、AI技術はすでに大規模応用の段階へと加速している。データによると、過去1年間、中国のオープンソースモデルのダウンロード数は世界首位となった。2025年末までに、一定規模以上の製造企業におけるAI技術の普及率は30%を超え、中国では企業がすでに300種類以上の人型ロボット製品を発表している。
全国政協委員で中国社会科学院経済研究所の元所長である黄群慧氏は、「スマート経済は一方では『AI+』によって各産業を活性化し、他方ではAIを基盤として産業や消費、業態を拡張する『スマートネイティブ業態』として現れる」としている。
注目すべき点として、「AIエージェント」という概念も今年初めて政府活動報告に盛り込まれ、「スマート端末」と並んで提起された。前者はタスクを理解し複雑な作業を実行できるソフトウェアプログラムを指し、後者はエンボディドAIロボット、AIスマートフォン、スマートコネクテッドカーなどの物理的な担い手を含む。
報告は、新世代のスマート端末とAIエージェントの普及を加速させることを明確に打ち出している。業界では、これが今後のAI応用の実装に向けた重要な方向性になるとの見方が一般的だ。中国工業・情報化部の李楽成部長も両会期間中、次世代AI製品の技術研究と技術更新を全力で推進する必要があると表明した。
政策面では、AI発展にはすでに明確なロードマップが存在する。国務院は昨年、「『AI+』行動のさらなる実施に関する意見」を通達し、その中で設定された3つの段階的目標はいずれも「スマート経済」に言及している。すなわち、2027年までにスマート経済の中核産業の規模を急速に拡大させ、30年までにスマート経済を経済発展の重要な成長極とし、35年までにスマート経済とスマート社会の発展に全面的に入るというものだ。
公式解釈によれば、今後スマート経済の新形態を構築するにあたり、AIの大規模応用を拡大するだけでなく、AI技術のオープンソース化と開放を深化させ、AI発展のための新型インフラの建設を推進していくという。
全国政協委員で360グループ創業者の周鴻禕氏は、「国家はAI技術による各産業の活性化を支援すると同時に、産業チェーンとエコシステムの整備も進めている。これがインターネット経済以上に大きな機会をもたらす」との見方を示した。