中国科学院分子植物科学卓越創新センターの研究チームはこのほど、野生イネの多年生という性質に関わる重要な遺伝子を特定した。さらに、この遺伝子を使って、野生イネに近い特徴を持つ系統の作製にも成功した。多年生イネの育種につながる成果として注目される。中央テレビニュースが伝えた。
雑草が刈り取られても再び伸びるのは、多年生という性質を持つためだ。冬には地上部が枯れても、地下部は生き続け、翌年に再び生長する。イネの祖先である野生イネにも、こうした多年生の性質があり、地面に接した部分から根を出して増えていく特徴があった。
では、なぜ現在の栽培イネはこうした性質を失ったのか。研究チームは、高収量や株のコンパクト化を追求する過程で、野生イネが持っていた多年生に関わる遺伝子が選ばれなくなった可能性があるとみている。
今回の研究では、研究チームがこの「長寿」遺伝子を特定した。446点の野生イネ資源を調べ、多年生の東郷野生イネW1943と一年生の栽培イネ「インディカ種・広陸矮4号」を交配して染色体置換系統を構築し、遺伝学的研究を進めた。その結果、マップベースクローニングによりこの遺伝子を同定し、「EBT1」と命名した。
今回特定された遺伝子は、野生イネにおいて発育の流れを切り替え、開花・結実後に再び葉や枝を伸ばす生長段階に戻る性質に関わっているという。
さらに研究チームは、この「長寿」遺伝子と、地面をはうように伸びる性質に関わる遺伝子を組み合わせることで、田植え後に少なくとも2年間は生存可能な、野生イネに近い特徴を持つ系統の作製にも成功した。研究チームは、こうした成果が、一度の作付けで複数回収穫できる多年生イネの育種につながる可能性があるとしている。

(画像提供:人民網)