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中国のエンボディドAI、「人間レベル」応用へ前進

2026年03月30日

 ぎこちない機械的な歩行から、人間とテニスで打ち合う動作へ。実験室でのデモンストレーションから、開かれた環境でのハーフマラソン挑戦へ。中国では、人型ロボットの動作性能や環境適応能力を示す実演が相次いでいる。科技日報が伝えた。

 中国では最近、台本なし・演出効果なしで、人型ロボットが人間とテニスで打ち合う動画がネット上で話題となった。ロボットはコート内を動き回りながらリアルタイムで判断し、ラケットを振って複数回のラリーを続けた。この人型ロボットは北京銀河通用ロボットが開発したもので、高ダイナミクス運動制御やリアルタイムの自律意思決定に関する技術水準を示す事例と位置づけられている。

 同社CSO(最高戦略責任者)の趙于莉氏は、「事前に動作を設定しているのではなく、現場で学習し、リアルタイムに判断している。当社が独自開発したスマート制御アルゴリズム『LATENT』は、ロボットに『運動の小脳』を与えるもので、高価なモーションキャプチャデータを必要とせず、人間の断片的な運動情報から自律的に運動ロジックを習得できる。実測ではフォアハンドの成功率は90%を超え、時速50キロのボールを0.1秒以内に捕捉するなど、柔軟性と安定性を備えている」と説明した。

 17日には、宇樹科技の創業者である王興興氏が亜布力(ヤブリ)フォーラムで、「今年半ばには、中国のロボットの100メートル走の速度が人間を上回り、ウサイン・ボルト氏の記録に肩を並べる可能性がある」との見通しを示した。さらに、19日に行われた北京人型ロボット・ハーフマラソン訓練キャンプの引き渡し式では、同イノベーションセンターのCTO(最高技術責任者)である唐剣氏が、「昨年、『具身天工Ultra』は2時間40分42秒で人型ロボットのハーフマラソン記録を打ち立てたが、水準としてはアマチュア段階にとどまった。今年は完走時間を1時間前後まで短縮することを目標にしている」と述べた。

 唐氏はまた、「開かれた環境で自律的に走ることは、完全無人運転に匹敵する難しさがある。中国のエンボディドAIは米国と並走する段階にあり、ハードウェア本体と運動制御の2分野では先行している。マラソンでの長距離走行から、中国の年越し番組で披露された高難度の動作、トーマス旋回、片手で箱を越える動作まで、国産ロボットは安定性と滑らかさを高めてきた」と述べた。

 北京人型ロボットイノベーションセンター(国家・地方共同建設エンボディドAIロボットイノベーションセンター)にある5000平方メートル近いデータ訓練拠点では、家庭、商業施設、オフィスなど30以上のシーンが再現され、120台以上のロボットが同時に作業している。「天工」ロボットシリーズは、アボカドの把持や青果の仕分け、乳児のおむつ交換の模擬などを行い、実世界の物理環境の中で動作精度や環境対応力を高めている。

 エンボディドAIロボットのデータ・訓練拠点責任者である蒋未来氏は、「実機から取得したデータこそが、ロボットが世界を理解する鍵だ。イノベーションセンターは中国初となるエンボディドAIデータ収集の業界標準を主導して策定し、データ適合率は95%以上に達した。オープンソースのRobomindデータセットはダウンロード数が200万回を突破し、市場向けに数万時間分の高品質データを提供している。現在は100万時間規模の高品質データ構築を目指している」と語った。

 
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