中国四川省カンゼ・チベット族自治州の雅礱江両河口水力発電所に、高標高・洞窟型のコンテナ型スマートコンピューティングセンターが設置されている。6つのコンピューティングコンテナはダム脇の山体内部に収められ、計2000枚の計算チップを実装。その計算能力は、日常業務用デスクトップコンピューター2億4000万台分に相当する。人民日報が伝えた。
2025年12月、同発電所を基盤とする「計算能力と電力の融合」実証プロジェクトが開始した。発電所建設時に残されたトンネル群を有効活用し、機械室を発電所の内部に設置。グリーン電力によるゼロカーボン計算能力を模索する。
両河口水力発電所のトンネル群は年間を通じて約5℃の恒温・恒湿環境が保たれ、天然の「定温データセンター」として機能している。洞内は換気が良く低温で、スマートコンピューティングセンターのPUE(電力使用効率)は1.2未満に抑えられている。
同プロジェクトは雅礱江公司と中国電信四川分公司が共同で建設。コンピューティングコンテナは数百メートルの深さに埋設され、ダムの高い耐震性、安定かつ低コストの電力供給、高度なセキュリティ体制を共有できるなどの利点を備えている。
スマートコンピューティングセンターの建設と同時に、25年末には両河口プロジェクト群の一つである雅礱江索絨太陽光発電所も発電を開始した。
水力発電から太陽光発電、さらに揚水発電に至るまで、水力と太陽光の資源を活用することで、同プロジェクトは年間を通じてグリーン電力を確保し、計算能力の安定供給につなげている。現在、雅礱江公司はさらに、出力1000万kW級の水力・風力・太陽光・蓄電・貯蔵・水素・計算能力全要素統合型モデル実証エリアの建設も進めている。
両河口スマートコンピューティングセンターから出力されるグリーン計算能力は、光ファイバーを通じて、数百キロ離れた稲城県の海子山へと送られる。ここでは国家重要科学技術インフラである高高度宇宙線観測所(LHAASO)が宇宙深部からの信号を受信している。水力発電によるグリーン電力は、宇宙線の起源解明に挑む計算能力へと変換され、科学研究に活用されている。
プロジェクトの安定運用に伴い、雅礱江公司は一部の計算能力を活用してAI(人工知能)イノベーションプラットフォームも構築し、気象予測や生産運用などの分野に特化した大規模言語モデルの開発を進めている。
雅礱江公司両河口水力発電所の王文松常務副所長は、「今後は、両河口プロジェクト群が持つ豊富なトンネル資源を活用し、このモデルの展開を推進していく。将来的には、電源・電力網・負荷・エネルギー貯蔵の一体化によるグリーン電力の直接供給モデルの取り組みをさらに深化させ、国家戦略『東数西算(東部地域のデータを西部地域で保存・計算すること)』との連携を進める」と語った。

(画像提供:人民網)