生産側、消費側、自然由来の排出源を対象とする炭素排出算定モデル「磐石・禹衡炭素算定大規模モデル(LLM)」のバージョン1.0が8日、中国上海市で発表された。新華社が伝えた。
中国科学院上海高等研究院の魏偉副院長は、「『磐石・禹衡』は、中国科学院が主導して開発した『磐石科学基礎LLM』を基盤とし、技術面ではデータ・アルゴリズム・計算能力の3層からなる支援体系を構築している。生産過程における炭素フローの追跡、国境をまたぐ貿易に伴う炭素移転の追跡、炭素排出の空間スケール分布の追跡に基づき、社会面と空間面を含む高精度の炭素ホログラフィックマップを構築した。また、応用ニーズに対応するため、内外のデータを組み合わせ、多次元をカバーするデータセット体系も整備した」と説明した。
サービスインターフェースでは、320億パラメータ規模の特化型LLMとインテリジェントデータベースの対話インターフェースおよびプログラミングインターフェースを提供し、特定機能を持つ5つのAIエージェントを開発している。これにより、産業システムプロセスのデジタルシミュレーションと最適化、貿易に伴う炭素移転の算定、ライフサイクル評価、自然由来排出の算定、不確実性分析などを可能にしているという。
現在、「磐石・禹衡炭素算定LLM」に基づき、国別レベルの炭素ホログラフィックマップの構築が進められている。2022年を例に、中国、米国、日本の温室効果ガス排出量について、従来のIPCCによる生産側算定結果との比較も示された。さらに、EUの炭素国境調整メカニズム(CBAM)のデフォルト排出係数について、中国製品の排出係数を過大に見積もっている可能性があるとの分析も示された。