中国の研究者らがこのほど、海洋調査船「同済」号に乗り込み、南シナ海北部で海洋の炭素循環に関する科学調査を実施した。調査では、海洋炭素循環の地質指標や記録を追跡することを目的に、海水や堆積物などのサンプル採取が行われた。新華社が伝えた。
海洋は地球表面の約71%を占め、大気中の二酸化炭素を取り込む大きな炭素貯蔵庫でもある。表層海水は大気とのガス交換を通じて二酸化炭素を取り込み、深海に蓄える働きを持つ。この仕組みは「海洋炭素ポンプ」と呼ばれ、物理的な過程と生物による過程に分けられる。
今回の航海の首席科学者を務める同済大学海洋・地球科学学院の田軍教授によると、近年はリモートセンシング技術や長期観測の進展により、海洋生物炭素ポンプの効率が時期や海域によって大きく変化することが分かってきた。ただ、その内部メカニズムはまだ十分に解明されていないという。
今回採取したサンプルについて、研究チームは主に4つの方向から分析を進める。第一に、異なる深さの海水から真核藻類の「分子化石」を探し、どの藻類が炭素固定に大きく関わっているかを調べる。第二に、海洋の原核性植物プランクトンであるシアノバクテリアに注目し、地球の歴史における炭素固定への寄与を分析する。第三に、海上観測データを蓄積し、「双方向炭素ポンプ」の機能を持つ円石藻について詳しく調べる。第四に、深海堆積物の間隙水に含まれるネオジム同位体の特徴から、海洋炭素貯蔵庫の時空間変化を間接的に追跡する。

(画像提供:人民網)