中国では今年3月、人工知能(AI)が文章の理解や生成に用いる基本単位「トークン」の1日あたりの平均使用量が140兆を超え、2024年初めと比べて1000倍以上増加した。こうした利用の拡大に伴い、大規模AIモデルの運用コストも上昇し、業界では負担の増大が課題となっている。人民網が伝えた。
国務院常務会議は今月、「水資源ネットワーク、新型電力網、計算能力ネットワーク、次世代通信ネットワーク、都市地下インフラ、物流網などの計画・建設を推進する」との方針を示し、計算能力ネットワークを公共インフラの一つとして位置づけた。また、4月の中国共産党中央政治局会議でも同様の方向性が示されている。さらに、第15次五カ年計画(2026~2030年)においても、「多層的な計算能力インフラ体系と全国一体型の計算能力ネットワークの構築」が言及されている。
資金面では、国家発展改革委員会が「今年、これらのネットワークおよび関連分野への投資総額が7兆元(1元=約23円)を超える見込み」と説明している。
計算能力ネットワークは、電力網にたとえると理解しやすい。各家庭が個別に発電設備を持つ代わりに、大規模な電力網によって電力が供給・配分されているように、計算能力ネットワークも全国のデータセンターやスーパーコンピューターセンターを接続し、計算資源を効率的に共有・配分する仕組みである。利用者は必要に応じてネットワークを通じて計算資源を利用でき、従量制で費用を支払う形が想定される。ただし、コスト低減の効果は運用方法や市場環境によって異なる可能性がある。
トークンはAIによる情報処理の基本単位であり、その使用量の増加はAI技術の活用範囲の拡大を示す一つの指標といえる。一方、トークンあたりのコストにはアルゴリズムや計算資源の効率が大きく影響する。今後、技術の進展や計算能力供給の改善により、単位あたりのコストは低下していく可能性があるが、その動向は技術革新や市場競争に左右されるとみられる。